ていねいな言葉遣い
投稿日:2015年3月15日
言葉遣いというものは、とてもおもしろいものです。
その環境の中で習慣として使っている言葉が、自然に自分が身に付ける言葉遣いになります。
日本の中にあれば、その地域で使われている言葉、または、その家で使われている言葉を習得し、その言葉遣いが、その人のアイデンティティを構成する要素のひとつとなります。
日本語環境から英語圏に来れば、生活の中で使われている言葉を覚えていきます。
生活環境の中で普段使っているものは、環境が変わっても、なかなか言葉遣いを変えることは難しいものです。特に、小さな頃から体にしみ込んだものを変えるには、それなりの努力が要ります。
外国語を習得することの難しさは、ひとつにはこんなところに原因があるのでしょう。語彙を持たない、文法がわからない、習っていない、ということだけでなく、ある程度わかってきても、日本語から英語への切り替えはそんなに簡単なものではなく、時間を要します。まずは、環境で使われている言葉に馴染まなければならないからです。
その難しさがある故に、学んだばかりの新しい表現が実際に使われていることを確認できることは、嬉しいことです。
この間、そんな瞬間がありました。
日本語でも英語でも、言葉遣いがていねいであるのは、とても気持ちの良いものです。
英語にも、丁寧語があります。特に、人にものを尋ねる時や依頼する時には、その内容の大きさ、あるいは、相手との人間関係によって、丁寧さが違ってきます。
生徒たちが先生たちに何かを頼みたい際には、当初には、”I want…” (欲しいんだけれど。。。)のレベルであったものが、授業で、丁寧な依頼文を練習していくに従って、職員に入って来る際に、徐々に、徐々に、丁寧な言い回しに変わっていくのを目撃するのは、とても心が躍ります。
ちょっとはにかみながら、でも、覚えたせりふを使ってみる、それが英語に上達するコツです。
“I want…” から、何段階を経て、
“Would I be able to ring my host mum?” “Would it be possible for me to use the phone, please? の、極めて丁寧なレベルに。
Excuse me, Ms. Harada. I was wondering if it would be possible for me to use the phone, please. I need to call my host mother to tell her I’ll be late home” みたいなことを言われたら、もう、なんでもしてあげたい気持ちになるほどに嬉しくなります。
日本語でも同じことですが、「これこれこうしたいので、電話をお借りできますか。」「こうする必要があるので、電話を貸していただきたいのですが、可能でしょうか?」というのは、「電話したいけど。。」「電話しなきゃならないけど。。」のレベルとは、大違いです。
ここまでのレベルになってくれば、いろいろなことに関してお互いに敬意を示す、良い大人の関係になっていきます。
毎日学習している英語での言葉遣い、授業でやった、それで、おしまい、ではなく、そのレベルの言葉遣いが自分のものとなるよう、毎日の生活の中にどんどんと取り入れていって欲しいですね。
使えば使うほど、それが自分の言葉として浸透していきます。