束の間の訪問客

投稿日:2012年6月20日

ホストファミリーの会がありました。

日本の保護者の方々からいただきましたホストへのメッセージは、確実にお伝えしました。喜んでくださっていました。

ホストの一番の関心事(心配)は、「安全」と「学習の進歩」です。

シドニーはもう夕方5時には暗くなります。郊外の静かな住宅地ですので、人通りはほとんどありません。樹木に囲まれた地域です。公共の乗り物は1時間に1本またはそれ以下です。子どもたちが歩いていていいようなところではないのです。

ホストはとても心配されます。

生徒は? 「ホストが過保護」「ちょっとくらい遅くなったって・・・・エ」と意に介さない向きがあります。

22年間事故が一度も無いのは、ICETがホストファミリーのご協力を得て徹底した安全対策を講じているからです。ICETが実施している安全対策は、長い間、州政府の対策よりも遥か先を行っていました。この数年になって、州政府もようやくそれに追いついてきました。そして、先を越されたものもあります。

先を越されたのは、別のホストに泊まりに行く場合には、そのお家がすでに警察の無犯罪証明を持っているところでない限りは許されない、というものです。ICETの生徒のお泊りは、ある場合には、ほとんどがお友達がお世話になっているところですのでこの項目はあまり該当しないのですが、州政府が極めて真剣に外国からの生徒たちの待遇を考えていることがわかります。

生徒側への徹底が必要です。

成果に関しては、「どうしたら、もっと進歩を伸ばすためにヘルプできるだろうか」というものです。

それぞれのファミリーがいろいろに工夫してくださっています。夕食のときにその日に関する質問をする、テレビを見ながら新しい単語を覚えていく、単語を覚えるためのゲームを週に何度かする、冷蔵庫や壁に単語を貼っておく、宿題を一緒にする、単語のテストをする、夕食のレシピーを一緒に読んで作る、日本のニュースを録画しておいてその説明を英語で求める、興味あることを話すなど等。

ありがたいことです。 生徒がフルにこういう時間を活用しなければ本当にもったいないですね。

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昨夜は珍しいお客様がありました。

キャンパスのあるオーバリーという町からバスでシドニーに。予約した前日のバスは乗客抜きで発車してしまい、シドニー・セントラルステーションには早朝予定のはずが夜9時半の到着。そして、翌朝の6時には空港でお別れという超特急の出会いでした。

「環境管理」なるものをLa Trobe大学で勉強している学生です。

「進化と生態学の原理」「水質」といったテーマの授業を取っています。試験には、「生態系の中のある種の総人口が変化する場合には、遺伝子に何が置きていて、その要因は何であるかを例を使って説明せよ」みたいな問題がずらっと出て、そこからいくつかを選んでエッセイを書くというようなものなのだそうです。

水は、灌漑用であっても飲料水であっても、元々の水をどこから得るかによって、水質はまったく違うので、その影響や処理の仕方も様々に違い、そういうことを研究するために、海辺に行ったり、山に行ったり、内陸部に行ったりといったフィールドの研究もあって楽しいとのこと。

そんな勉強をしているのは、ICETの3年プログラムを卒業してオーストラリアの大学に入ったアユミさんです。オーストラリアの大学には、多くの国々からの留学生が集まってきます。オーバリー・キャンパスの教授が、その学生たちが英語で上手にエッセイを書けるようマニュアルを作成することになりました。アユミさんは、教授から「あなたは科学の優れたエッセイを書くことができる。こうしたら書けるよ、とこのマニュアル作成のお手伝いをして欲しい」と頼まれました。

アユミさんの能力と努力の賜物であることは言うまでもありませんが、ICETの1年目の英語のプログラム、そして、次の2年間ESLを通して徹底した英語学習の訓練を受けてきたこと、その内容、教授陣の質の高さが功を奏しているひとつの例といってよいでしょう。

学期中はわき目も振らずに勉学に励み、休暇になったら日本のご両親のところに、という大学生活。将来は、動物の環境保全関連の仕事に就きたいようです。たとえ束の間の出会いであっても、いろいろな話を聞かせていただくことができたのは嬉しいことでした。

 

“束の間の訪問客” へのコメント2件)

  • シオカワ テルコ

    2012年6月22日

    こんばんわ、房枝さん
    ご無沙汰しています。長野県小諸市在住 塩川(相場)照子です。
    なんとはなしに、房枝さんの名前を検索していたら、HIT!しました。やはりあなたはメジャーでしたね!!
    このsiteは、多分、生徒さんやその御父兄の為のものなのかもしれないですね。
    しかし、御代田のお母さまが亡き現在、私が房枝さんにコンタクトをとる方法は、このような手段によるものしかなく、ご迷惑を承知でこのmailを送ることにしました。
    本当に、ご無沙汰しています。お元気ですか?と尋ねるのは、愚問ですね。
    貴女の学校のホームページからは、房枝さんのご活躍が目に見えるように伝わってきます。
     

    返信
    • 照子さん、こんにちは。私を探してくださってありがとうございました。Eメールをいただいていましたので、私の溢れ出る想いを
      綴りました。開けてみてください。これで、連絡が取れるようになりますね。感謝でいっぱいです。

      返信

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