コミュニケーションは言葉だけではない

投稿日:2015年1月24日

人間関係の土台にあるものは、コミュニケーションです。

留学の成功を決めるのも、コミュニケーションです。

初対面でも、笑顔があって、数語の言葉があれば、そこに何らかの関係が成立します。何かの話題でお互いの感じ方や考え方がわかれば、理解が生じてきます。

逆に、よく言われる、無関心、無感動、無表情は、コミュニケーションをとても難しいものにしてしまいます。

Chinese whispersというおもしろいゲームがあります。これは、ひとつの言葉から連想したことをつなげていくゲームなのですが、グループに分かれて連想した単語だけを他に聞こえないように伝えていくと、結果は、それぞれのグループでまったく違うものが出てきます。

たったひとつの言葉なのに、人が連想すること、想像することは、人によって、まったく違うからです。

そうです、人はみな違います。違っていることが当たり前で、その違いがいいのです。でも、なぜか、人と違うことを人間は怖れてしまうのですよね。だから、自分の意見を述べることも考えを表に出すことも遠慮してしまいます。

この遠慮が、日本人には、特にあります。少数で、あるいは、友達との間ではいくらでも話せるのに、大勢の前となると、まったく意見を言わなくなります。自ら進んで言うことは非常に少なく、名前を指定されるまで待ちます。

人と同じでなければいけないのではないか。人と違ったらどうしよう。おかしいと思われるのではないか。笑われるのではないか。間違ったらどうしよう…などなど、様々なことを考えるのか、あるいは、何を言ったらいいかということを長い間考えているのか、どもかく、人前では言葉が出てきません。

この特定の制約状態から飛び出すことが、オーストラリアの生活での成功を導くものとなります。英語の学習においても、ホストとのコミュニケーションにおいても、友達作りにおいても。

この自分にかけた制約を早く解けば解くほど、会話が弾みます。自ら発言する力が付きます。考える力も付きます。交流が盛んになります。自信が付きます。

そして、自分がこの留学で得たいと思っているものを得ることができます。

コミュニケーションとは一体何なのか、コミュニケーションには、何が含まれるのか? どうしたら上手にできるのか? オリエンテーションでは、そんなことを一緒に考えました。

英語が上手にならないうちは、コミュニケーションは難しいと思うかもしれません。違います。まったく違います。

 英語力の問題ではありません。一緒に歩むという心構えがあるかどうか、「誠意」「心遣い」「思いやり」「気付き」の問題です。

人間が言葉で表現するコミュニケーションと、ノンバーバル(non verbal) と呼ばれる言葉以外のもの(表情、体の仕草、視線の使い方、顔や体の位置、姿勢等々)では、言葉以外で理解することが圧倒的に多いと、いろいろな本や研究文書に書いてあります。

中には、70%以上、文書によっては、93%がノンバーバルだという数字さえあります。数字はどうであれ、私たち人間が社会の中で人について理解する部分は、言葉に頼らない部分が極めて大きいことは確かです。

言っている言葉が嘘だということを、その人の状態から察することもできるわけですから、それほどに、ノンバーバルの部分がコミュニケーションに果たす役割は大きいということです。

ホストファミリーに入って、英語で自分の気持ちを伝えられなかったら、このノンバーバルの部分をたくさん使えばいいのです。そして、”thank you”という言葉くらいは、言えるはず。これを連発する。

笑顔で一緒に付いて回る、相手の目を見つめ、熱心に話しを聞こうとする姿勢を見せる、明るい表情で”Hello!” “How are you?” を言う。”May I help you?” と尋ねる。

わからなければ、紙に書いてもらう、辞書で調べる、自分が繰り返して言ってみる。

そんなごくごくわずかなことで、ホストとの最初の信頼関係は、あっという間に築けます。

きれいな景色を見たら、難しい単語がなくても、”オー!!”という感動の声をあげれば、ホストはそれだけで満足です。おいしい物をいただいたら、deliciousという言葉を知らなくても、yummyという単語を思いつかなくても、大きな笑顔で、指をさして、goodのサインを指で作れば、ホストマムは、作り甲斐があったと思われるでしょう。

 ホストファミリーが一番困ることは、反応がないことなのです。

 生徒もホストも人間。笑顔があって、第一印象で互いに好ましい感情を得ることができ、その後も、一緒に仲良く暮らしたいという気持ちを体からたくさん発散させたら、良い土台はできあがります。

今週末の3日間に、この土台をしっかりと築いて欲しいですね。

 

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