視点を未来から「今」に

投稿日:2015年1月27日

人間は、誰もが恐怖や恐れや不安を持っています。

多くの人々にとって、その最たるものは死です。

大自然への畏怖。

神様や仏様に守って欲しいと庇護を求める気持ちと、何か悪い事をしたら罰せられるという怖さが同居した不思議な気持ち。

人生で成功を成すことができるのだろうか(その成功が何であったとしても)、夢が叶うのだろうか…

挑戦しても失敗したらどうしよう。

周りの人々から拒絶されたら…    嫌われてしまったら…   孤独な人生になってしまったら…

不安や恐怖には、いろいろな種類のものがあります。平和な世界にいても不安や恐怖が常につきまとうものであるなら、紛争地帯にいる人々の、殺されるのではないか、家を失うのではないか、愛する人を失うのではないか、食べるものが手に入らないのではないか、という恐怖に晒されている毎日は、想像を絶するものでしょう。

そんな命に直結する恐怖がない平和な毎日の中でさえも、拒絶されるのが怖いから、愛されないことが怖いから、敢えて違いを求めることに勇気を持てず、流れの中に乗り、そして、自分を次第に見失っていってしまう人々がどれだけいるでしょう。

あるいは、失敗や結果を怖れるばかりに、したいことをしないまま時間が過ぎていくことを許してしまい、結局は、しないままに終わってしまう。

自分を生きられないことは、呼吸をする身体は存在しているけれど、自分という精神、魂は存在しないのと同じ事です。

そうなると、人生の生き甲斐は失われ、心の病を抱えるようになることだってあります。

留学に出てきた若者たちは、思い切り自分を試そうと海外にまで出て来た若者たちです。それでも、不安、恐怖はあります。

オリエンテーションでは、それぞれが感じている不安を匿名で紙に書いてもらい、壷の中に入れました。

その解決方法を話し合う時間は、短いオリエンテーションの中では持てなかったのですが、別途、学校でその機会を持ちます。

オリエンテーションでは、 カードを小さく破り、捨て去る儀式だけをしました。

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多くの生徒たちが共通して持っていたのは、

  1. ホストファミリーと仲良くできるかどうか
  2. 英語が本当に上手になるかどうか
  3. 友達ができるかどうか

この3つに集中していました。

まず、最初の不安は、すでに解消されているはずです。この3日間の様子、いずれのホストからも、とても喜んでくださっている反応が戻ってきています。ホストファミリーが喜んでくださっているということは、会話があり、笑顔があり、生徒が一生懸命とけ込む姿勢を見せ、お互いの感触がとても良いものである、ということを意味しています。

2番目は、自分の意識と姿勢と努力次第です。毎日が、それを継続する場です。1年の結果は、今では到底想像もできないレベルに到達する生徒たちがたくさん出てきます。

3番目は、今日は、学校にDHSの10年生の有志たちが、休暇中であるというのに、ICETの生徒たちに会いにやってきます。友達を作る絶好のチャンスです。不安だったことを吹き飛ばして欲しいですね。

中には、「日本人でなくなってしまうのではないか」という不安というのもありました。16歳なりのしっかりとした価値観を持っている人間は、その本質を失うことは決してありません。特に、ICETのように自分を形成することを軸にしながら、文化的価値観について様々な角度から話し合い、元々の良い素質を大事にする環境にあっては、日本の豊かな精神的な文化性を失うことはありません。それは、明確に言えます。

人間は、人生の最初の16年間に培われたものを簡単に捨て去るようにはできていません。(ただし、中身がカスカスであれば、それは別な話しです。)留学中に得るものは、入れ替えるものではなく、それまでのものに付加していく価値です。このことに関しては、これから、いろいろな角度から生徒たちを話しをしていきます。

儀式だけではあったのですが、ちょっと見方を変えただけで、その不安から解放されることがたくさんあります。

文字にしたら、心が軽くなり、人と話したら、さらに軽くなります。

そして、視点を変えたら、多くの不安はなくなります。なぜならば、不安は、みな、まだ、来ていない未来のことだからです。未来は、いつも未来です。

私たちの手元にあるのは、今、この瞬間の現実のみです。

まだ、起こってもいないことで不安を抱き、今のこの瞬間をフリーズしてしまうのであれば、それほどもったいないことはありません。

未来に不安があるならば、今この瞬間にそれに対する解決方法を考え、そして、ここからが大事です、考えたことを実践する、ということが、不安をなくす、最善の方法です。

行動に移す、ということです。自ずから、未来は、別なものになってきます。自分の未来を自分の手中に入れることができるからです。

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