2012年 元旦
投稿日:2012年1月1日
新しい年がまためぐってきました。
おめでとうございます、と普段の年ならば、何のわだかまりもなく、自然に、ご挨拶するところなのですが、今年は、とても不思議な気分でいます。時間というものがとても不思議に感じられるのです。
南太平洋の島、サモアは、日付変更線を少し東に寄せてもらうことで、地球で最後に太陽が沈む島から地球で最初に太陽が昇る島になりました。日付変更線って誰が変えるものなのか、日付変更線自体がおもしろい観念です。サモアの歴史に2011年12月30日という日は存在しないことになりました。
同様に、太陽の動きや月の位置によって時間を感じるよりも、むしろ、暦というものによって私たちの時間、日、月、年の観念が動かされ、そうなると、1月1日はたまたま12月31日から時間が移行したから、新しい年になるということになります。
お正月は、それまでの収穫を祝い、そして、歳の神様に感謝するという季節に合わせた昔からの意味があるようなので、そういう意味では、とても厳かな時なのですね。だから、長寿を願い、新しい気持ちで人生のまた新たな一歩を踏み出す時にふさわしいのでしょう。
ただ、おめでとうという言葉は、今年は、出てきません。
気仙沼や釜石の海から忽然と消えていってしまった人々の魂は、年が明けた今日は、一緒におめでとう、と祝ってみえているのだろうか。
原発のために家や土地を離れてみえる方々が、あけましておめでとう、と祝えるのだろうか。
世界には、こんなにたくさんの災害が起こり、紛争が起こり、難民がさ迷っているのに、暦が示す特別な日だからと、そのための祝いの言葉が素直に出てこないのです。
時の流れってなんだろう、暦ってなんだろう、人間の営みって何なのだろう、と考えてしまうのです。
「明日は決してこない」というおもしろい表現を聞きました。どういう意味かというと、明日は、今日今ここに存在する自分が考えている「明日」という概念であり、夜が明けた次の日を描く想像であって、その明日になれば、自分が存在している瞬間は、「今」です。だから、明日は決してこない、ということなのです。
ということは、私たちが存在できるのは、この瞬間、今この瞬間にしか存在し得ないということです。
それなら、この瞬間に何をするのか。この瞬間に、明日・未来を作っているのです。この瞬間が未来に続くのです。それならば、どの未来に行きたいのか、どの方向に歩みたいのか、それを自覚することが極めて大事となってきます。
どんなに未来のことを語ろうと、夢を語ろうと、それは、未来であって、自分はこの瞬間にしかありえないということです。
私たちは、明日になれば、未来が来れば、と先の時間に希望の実現を託します。そして、今日できることを先送りすることがよくあります。
世界に平和が来るだろう、と願ってきました。でも、それを言葉にすることができなくなりました。あまりにも虚しいからです。
それなら、今、何ができるのだろう。今、私にできるのは、自分の手のぬくもりを隣にいる人と分かち合うことです。隣の人は、また、その隣の人と手のぬくもりを分かち合うことができます。
手をつないでぬくもりが分かち合える人々ならば、互いをケアするでしょう、傷つけあうことはないでしょう、そして、互いに優しい気持ちになるでしょう。
みなさん、手をつなぎましょう。ぬくもりを分かち合いましょう。一人でも互いに優しい気持ちを持つことができれば、社会は、もっとたくさんの人々を温かく包むことができるようになります。
2012年の日の出です。撮影の腕がないので、カメラの性能を使いきれていないのですが、すばらしく力強い眩しい太陽でした。Bilgolaというのは、アボリジナルの言葉で、渦巻く潮を意味します。大海はすべてのものを包み込み、そして、太陽は、すべての人や物に光と力を注ぎます。
私たち一人ひとりが地球に何らかの使命を帯びて送られてきました。使命が何であるかを考えるのは、一人ひとりです。そこに目的が生まれ、生き甲斐が生まれます。
この瞬間、今を大事に生きましょう。みんなのその気持ちがつながれば、地球はもっと良いところになるでしょう。
2012年があなたにとってすばらしいものになりますよう!!
2012年1月2日
房枝先生
すばらしいBilgola Beachの❤日の出❤をありがとうございます。この力強い眩しい「日の出」を見ると私たち人間はこの光の一部ではないかと感じます。きっとこの光がなければ生きていけないのでしょう。そう思うとあまりにも傲慢に自分勝手に生きてきたか、自然と共生などと生意気なことをいい、環境破壊をしておいて、今更エコだ環境保全だなどと。。。反省せざるをえません。あれから1年半が経ちました。人は大事件が起こって初めて、生き方を考えたり、本当の意味での人との関わりの大切さを考え始めるのですね。体験から生まれ学ぶものが山のようにあります。幼いころ父によく「人との出会いは人生の宝だ、よき人に出会えるような人になりなさい」と言われたことを思い出します。「よき人」がどんな人かが問題ですよね。笑
今を大事にして、時の流れに付き合っていこうとおもいます。お互いのぬくもりを感じ、ほほえみあえますように!
with heaps of Love,
yasuko