Welcome to ICET
投稿日:2012年9月28日
今週初めてICETのウエッブサイトを、そして、このブログを開いてくださいました方々、はじめまして。
ICET Familyの仲間入りをしてくださいましたことを心から歓迎いたします。
ICETは、高校生が外国の地にあって、安全な環境の中で、思い切り新しい文化と環境の中に飛び込み、最大限の成果を持って帰国できることを目的としてシドニーに設立された学校です。
1991年に交換留学制度として立ち上げられ、日本からの生徒たちをオーストラリアの13校を対象に、各学校に1名か2名送る窓口として始まりました。各学校には、個人の善意で留学生のケアをしてくださる先生がいらっしゃいましたが、ESLの授業は当時はまったくありませんから、生徒は、全教科、オーストラリアの生徒たちと一緒にクラスに入ります。
最初は、チンプンカンプンでまったくわからない、でも、そんなが状態がしばらく続いても、一生懸命がんばる生徒は、半年を過ぎる頃から授業の内容を大分理解するようになってきます。わからない生徒は、わからないまま、スイッチオフしてしまい、授業はただ時間を過ごすだけのものとなっていきます。英語の学習は、数学などの教科を通して学習していきます。どんなにわからなくても、一旦生徒が学校に入ると、一人一人に英語の家庭教師をつけるわけにもいかず、ホストファミリーにいろいろお願いする以外、外から支援できることはほとんど何もありませんでした。
こうしたアトランダムな学習方法の中で、1年後の成果がどうなったかというと、結果も極めてアトランダムなものとなり、しかも、違いはあまりにも歴然としていました。一生懸命した生徒は、すばらしい力を付けて帰国していきました。スイッチオフしてしまった生徒は、ほとんどの生徒が楽しい時間を過ごしたものの、どのくらいの学力を付けたかははなはだ疑問でした。留学と遊学の差であるとでもいえばいいのでしょうか。全員が、一人で学習していける自律心と学習能力を同じように備えていたわけではなかったからです。
その成り行き任せな結果をなんとかしなければならない、持ってきたレベルに応じて、結果も最大限のものを持ち帰るようにしなければ、教育的責任を果たすことはできないという思いから、さまざまな方法、さまざまな研究が重ねられ、オーストラリアの当時のNSW州の外国人のための英語学習の識者たちの知恵を借り、1年間のカリキュラムが編成されました。そのカリキュラムを実施するには、生徒が四方八方に散らばっていたのでは実施の仕様がありません。語学の積み重ねは、週末に集まって授業をすればなんとかなるというようなものでもありません。
せっかく1年英語環境で過ごすのであれば、できるだけの語学力を付け、しかも、異文化での生活が行き当たりバッタリの成り行き的なものではなく、文化背景にあるもの、国際的な時事問題などをきちんと理解できること、そして、なによりも高校生としての秩序があり、健全な考え方を導くきちんとした教育理念に沿った教育的環境を構築する必要があるという結論に達しました。
そこで、創立されたのが今のICETの原型です。公立学校の中に私立学校が入るという極めて稀(オーストラリアの中には他に例がありません)な形となり、教育大臣のお墨付きの元に始められました。しかしながら、そこに至るまでには、前例が無いということで、様々なRed Tape(法律上の困難、壁、越えなければならない障害を英語ではこういう表現を使います)をくぐらなければならないことになりました。
最初にプログラムが導入されたデイビッドソン・ハイスクール(DHS)では、近隣の校長会、デイビッドソンのPTA、職員会議、生徒会などいろいろな層での会議で話し合われました。関係者全員の賛成が得られたところで、教育省から、近隣の住宅にアンケートをとって欲しい、そこで、問題なければ、最終許可を交付するという通達がありました。1000軒に配り、988軒からYESの答えをもらいました。あとの12軒からは返信が届きませんでした。
そんなふうにしてオーストラリアの現地の学校との合体プログラムが始まりました。日本からの留学生の数が増加するにつれ、DHS以外の学校にもプログラムが設けられました。1000キロも離れたスワンヒルやもっと離れたワーナンブールからICETのプログラムを導入して欲しいというありがたい申し出がありました。また、DHS以外にシドニー市内でも数校同時進行という時期もありました。
いろいろな変遷を経て、2012年度と2013年度は、DHSのみでの運営となります。
DHSとの合同運営は極めてユニークなものであり、生徒たちは、ICETの先生たちだけでなく、DHSの先生たちからもとても大事にされます。ICETが企画するもの、DHSが企画するもの、両方のメリットを受け、授業を通して、また、授業以外に、たくさんの行事や野外研修やボランティア活動など毎週いろいろなできごとがあり、1年間を通して様々な体験を積んでいきます。
日本人が多いということが否定的に受け止められることがありますが、まとまった数の生徒がいるからこそ実施できるプログラムであり、このプログラムがあるからこそ、生徒たちは、いずれの生徒も、間違いなく最大の効果を持って帰ることができます。高いレベルで留学してきた生徒の英語力は、極めて高いレベルに達します。英語力が低いレベルで入ってきた生徒も、確実に力を付けて返ります。それも、学習を楽しみながら。
本当に楽しい1年間、そして、実力をつけることができる1年間が待っています。楽しみにしていてください。