世界を翔けヨ!
投稿日:2012年10月2日
嬉しい知らせが入ってきました。
先日、大学入試で帰国したタイキ君、APU – 立命館アジア太平洋大学の国際経営学部に合格しました。
APUは、2000年に大分に設立された比較的新しい大学です。1990年代の終わりに、これからこういう大学ができるので、是非、オーストラリアの高校生にこういう大学があることを知ってもらいたいと代表者の方々がDHSを訪ねてみえたことがあります。
学生の半分以上が海外からの留学生という日本で最も国際性が濃い大学で、教育は日本語と英語で行われます。3年間こちらで培ったものに更に磨きをかけることができるよう、そして、将来国際的なビジネスを展開するためのパートナーを得るためには絶好の環境であると考えたタイキ君は、この大学が自分の未来に向けてしっかりとした梯子をかけることができる大学だと狙いを定めていました。
面接のいくつかの質問の中に、「苦手な科目は何ですか。それにどう対処しますか」という質問があり、彼は、次のように答えたということでした。
「長距離レースに例えれば、困難な場所、苦労な時間が時々あります。でも、それを乗り越えないとレースは完了しないし、勝利に結びつくことは決してありません。苦手教科もそれと同じだと思います」と。大学入試の解答として申し分ないものでしょうが、人生を歩む姿勢として、この言葉に改めて感心しました。
将来の展望に向けて、その1歩を踏み出しましたね。
ICETで1年間の留学を終え、日本の在籍高校からこの大学に進学する生徒の数は、私が知っているだけでも悠に両手の指の数を超えます。大学が急速に知名度をあげてきていることもあるのでしょうが、いろいろな国々からたくさんの若者が集まってきて一緒に学ぶことができる環境が、文化の違う子どもたちとの日常の交流の魅力を留学中に知った子どもたちには、さらに広い世界に環を広げることのできる大きなチャンスがたくさんあることが見えるのでしょう。
今日は、 嬉しいニュースがまだあります。去年、DHSを首席(現地の生徒たちも含め)で卒業したコウメイ君、ニュージーランドのクライストチャーチにあるCanterbury(カンタベリー)大学で哲学を専攻することになりました。1年間をギャップイヤーとし、自分が本当に勉強したいと思う大学を懸命に探してきたコウメイ君。最終的にここに絞り、大学からのオファーを授かりました。
ギャップ・イヤーというのは、高校を卒業し大学に入る前に、「学校生活」しか知らない若者たちが、再び学問の世界にはいる前に、1年間、ボランティア活動に従事したり仕事をしたりして、いろいろな社会体験をし、自分が勉強したいと思っていることの該当性を自分でしっかりと確かめることができる1年です。アメリカやオーストラリアでは、このギャップ・イヤーを敢えて持つ生徒がたくさんいるのですが、大学に直行することに重きが置かれる日本には浸透していない考え方です。
この1年間の体験は、将来の生き方に大きな影響を持ちます。コウメイ君にとっても、このギャップ・イヤーは学校の教科学習からは決して得ることのできない貴重な人生学習をする時だったことでしょう。
クライストチャーチは、去年の2月の地震で大きな被害を受け、富山県の学生さんたちがたくさん亡くなった悲劇が起こったところでとても近くに感じるところですが、まだ復興途中です。海辺にあり、後ろ側には美しい山脈が広がるこの町は、建築物も含めて、世界でも最も美しい町のひとつです。
この町の美しい自然の中に人工建造物の美をバランスよく保っている風景とそこに住むニュージーランドの人々の包むような優しさは、静かな環境を好み、将来作家になりたいコウメイ君に、彼の創作活動にすばらしいインスピレーションを日々もたらすものとなることでしょう。一般人にわかりやすい言葉で書かれた哲学書や、哲学的観念がちりばめられた小説が世に出てくることが待ち遠しいです。
びっしりと詰まった過程をしっかりと積み上げてきたからこその結果ですが、望む形で実ったことを誇れる若者たちに、心から祝福の拍手を送ります。世界を広く思い切り翔けよ、と。