子どもたちの宝石箱

投稿日:2012年12月9日

「かわいい子には旅をさせよ」

1年の留学という大きな旅が今終了しました。

ひとつの旅が終わり、終わったところでわかるというものがたくさんあります。途中経過のできごとは、その時点ではわからなくても、終わってみれば、そこに大きな学びがあったことに気付くでしょう。また、留学の最初にいろいろな方々から受けたアドバイスが、今になって意味を成してきたというものもありましょう。

そうした意識を子どもたちが持っているかどうかに関わらず、子どもたちは、中身のいっぱい詰まった宝石箱を持って日本に帰りました。

留学に来た際に、彼らは、ご両親そしてご先祖様から受け継いだ体と才能、ご両親に教えていただいた礼儀や常識や社会性、学校で学んだたくさんの知識や技量、社会から学んだ文化がたくさん詰まっった宝石箱を持ってきました。

留学に来て、彼らはまた別の箱を与えられました。その新しい箱の中には、「冒険」「機会」「挑戦」が詰まっています。箱を開けるたびに、何かが飛び出てきます。飛び出てきたものを掴めば掴むほど、そして、その中に入っているものを取り出せば取り出すほど、子どもたちは体験を積み、人生が豊かとなっていきます。でも、その過程で、自分が留学前に積めた宝石箱に詰まっているものを一緒に上手に活用すればするほど、新しい箱につめられる中身も大きくより価値のあるものとなってきたはずです。

同じように、留学中にいっぱいにして持ち帰った箱の中身は、この後に歩むまた別の旅の糧となり知恵となるものです。

なぜならば、留学が終えた生徒には、留学前には想像もできなかった別の新たな知識、視野、考え方、見解、技能、知恵、強さ、逞しさなどが培われています。この中身が、帰国後に与えられる「冒険」「機会」「挑戦」に上手に立ち向かうために必要だからです。

留学から帰った生徒たちには、良い意味でも悪い意味でも、重圧がかかっています。「期待」という重圧です。留学したんだから・・・・という目に見えないものすごい重圧です。まるで、留学したら、奇跡でも起こるかのような。その重圧を取り払うだけでなく、それに応え、さらにすごいものを見ていただけるためには、持ち帰った宝石箱を本当に上手に使うことが大事となってきます。

その中身をどれだけ帰国後に取り出すかは、それぞれの生徒によります。でも、大事なことは、それが物理的に遠くなったオーストラリアにあり自分からかけ離れた世界となってしまったと思うのではなく、すべて、自分の心の中に、頭脳に、精神にしまい込まれたものであることをしっかりと理解し、意識し、その自分の全部を充当することです。

帰国後に、留学は夢だったと感じる生徒が多いのですが、決してそうではなく、その全部が自分の中にあるのだということを生徒たちは決して忘れてはいけません。

 留学の成功は、着地で決まります。着地後に宝石箱の中身を上手に使うことができれば、留学の価値は倍増します。使いこなせないと、親御さんは期待が満たされず、子どもは、期待を満たせないという罪悪感を抱き、留学の成果も誇りも縮小してしまいます。

受験を乗り切っていくためには、留学で得た自信と誇りがとても大事です。受験だけなく、これから人生を歩んでいくためには、土台の堅固さは、自分に対する自信と誇りです。留学中に得たものを決して潰してしまわないように、その上で、日本の文化、日本の社会に再適合していく術を得ることで、さらにさらに大きな成長があります。簡単なことではなく、大きな挑戦だからです。

そこまでを含めたものが留学の成果であり、留学で得られた成長とみなされるものです。

生徒だけでなく、ご両親にとっても、大きな挑戦です。なぜならば、それだけでも大変なのに、学校あるいは教育というシステムの中にある方々にとっては、システムの枠から出て子どもたちの持ち帰った宝石箱の中身を認識し理解することがさらに難しいことがあり、そこで生じる困難さとも上手に対応していかなければならないからです。

でも、子どもたちが持ち帰った宝石箱には、それに対応できるだけの十分な知恵で満たされていることを信じます。彼等には、それがよくわかる強力な仲間たちもいます。

未来に向かって大きな跳躍ができる力は、十分に備えていますでしょう。よくがんばりましたもの。

 

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ご連絡。ICETのサーバーの故障で私のEメールが金曜日の午後から機能しておりません。週末にかかっているために回復は月曜日と見込まれています。いただいたメールにお応えしていないという場合には、申し訳ございません。回復までお許しください。

 

“子どもたちの宝石箱” へのコメント2件)

  • 清水まどか

    2012年12月10日

    こんにちは。
    先日、無事に娘が帰って参りました。
    「大阪は寒い」「家が小さく見える~~」「周りが皆、日本語しか話してない」等々
    プチカルチャー?ショックを訴えつつ、荷物の整理や、お土産の分配に邁進しております。

    どこがどう成長したのか、(残念ながら)まだはっきりとは見えませんが、
    AUSでの出来事や思い出話しを聞いていると、お友達にも恵まれ
    貴重な良い経験をさせていただいたんだなと思います。
    娘のこれからに期待大です。

    お世話になったホストファミリーとISETの先生方には、本当に感謝いたします。
    ありがとうございました。

    返信
    • 清水様

      1年間、お預けくださいましてありがとうございます。
      昨日はシドニーも日本のように寒くて震えるほどでヒーターを必要としました。日本の寒さがこちらもに
      送られてきたのかもしれません。
      成長は、中身の深さとともにこれからじっくりと見えてくることでしょう。1年のお寂しかったでしょう空間を
      徐々に満たしていってください。
      これからの活躍とときめきに満ちた人生、そしてご家族のご多幸とご繁栄を祈っています。

      返信

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