Parliament House 国会議事堂

投稿日:2013年4月29日

Parliament House(国会議事堂)を見学しました。

最初は、通常Old Parliament Houseと呼ばれ、1937年から1988年まで議事堂として、この国の政治を司ってきたところです。現在は、Musuem of Australian Democracy(オーストラリアの民主主義の博物館)という名に変わり、この国の歴史の流れをわかりやすく人々に展示する場所となっています。

まずは、この場所についてリサーチしたグループの代表ヒロアキ君の発表。

中でガイドさんから白い手袋をもらい、民主主義についての説明がありました。Demoncacy=民主主義という言葉が、みんなの中でつながったようです。「民主主義であることで何か可能か」という質問が生徒たちに向けられました。イギリスから議会制度を導入したオーストラリアには、先住民の人々との問題は残したままであるものの、民主主義が根付きました。日本も幕末にヨーロッパを見聞した人々が新しい施政の形として導入し、今に至っています。ミクロのレベルでは様々な問題があるものの、マクロでは、人権、命、財産、教育、表現の自由、宗教の自由などが保障されていることで、私たちは安心して生活を営むことができます。

オーストラリアは、18歳で選挙権を与えられると同時に、投票の義務も与えられています。それゆえに、若者であっても、選挙があれば、誰が何を提唱し、自分は何に一票を投じるかをそれぞれが真剣に考えます。そして、普段から、政治の場で何が起こっているのかをよく観察し議論しています。日本でも選挙権を18歳で与えてはという議論が数年前から起こっています。そうであれば、若者たちが、自分が国政に関与するようになるのはもうじきであるという意識を持つことは極めて大切となります。

時計には、緑(Representative)と赤(Senate)のランプがあり、そのランプが付くと、大急ぎで投票向かうのだとのこと。

オーストラリアのRepresentativeは、日本では衆議院に相当するもの。選挙で選ばれ、選挙地区を代表する議員です。

 

Senateは、参議院に相当するといったらいいでしょうか。選挙で選ばれているものの、各州を代表する任務があるとのこと。

Representativeで審議され通過した法案のみが、Senateで審議されるということです。

ちなみに、本国イギリスでは、下院の議員は選挙で選出され、上院は、司教とか貴族とか社会でいろいろな力を持っている人々が自薦でなるとのこと。連邦議会の設立が許されているものの、オーストラリアの元首は、イギリスの国王。議会の杖の頭の部分には、英国王室の紋章が。そして、その頭が向いているほうが政権を担う与党の議員が座るところ。議案で出されたもの、そして、すべての書類は、英国王室の代理である総督が署名するとのこと。

 机がロープで囲まれている写真は、1988年にこの建物で最後の首相となったボブ・ホーク氏が使っていた状態をそのまま保存したもの。

首相の部屋としては実に簡素なものです。

 

 

 

執務の机の目の前に飾られてあるのは、アーサーボイドのこのなんともいえなく複雑な心象風景。この部屋に唯一飾られている絵です。「国立美術館には世界中の名画がたくさんある。どんな絵でも首相は選べるのに・・・」とガイドさん。

この広い建物には、女子用のトイレは、ある一角にしかなく、インディラ・ガンジー首相の訪豪にあたって初めて中にひとつ設けられたとのこと。首相用のトイレもシャワーも実に簡素です。ホーク首相以前からのことなのでしょうが、こんなところにも施政者の考え方や、まだそう年数が経っているわけでもないのに、当時の社会状況が表れているのはおもしろいと思いました。

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