かわいい子には旅をさせよ
投稿日:2014年5月26日
親の役目は何か。。。
子どもが健全に育ち自立できるよう、愛し、育て、導き、支援することだ、と私は思います。
健全に育ち自立できれば、若者は、自然に自分の夢に向かい、自分の生き方を確立する中で、社会に貢献する人間になっていきます。そして、それが、親の愛、親の努力への最高のプレゼントとなります。
動物界のドキュメンタリーを見ると、動物の親たちが、懸命に子どもを育てている様子、餌の探し方、取り方、危険への対処の仕方、群れのあるいはパートナーそして子どもへの愛情の示し方など、感動する場面がたくさんあります。
時には、現在の人間社会には存在しなくなってしまったことに、時に、ハッと気付くこともあります。自然の猛威や外敵となる他の動物からの危険を避け身を守るための手段や方法、それを学ぶためには、厳しい訓練も入ってきます。それにより、逞しく、強く、そして、悧巧になり、次の世代に、その知恵を授けていくことができます。
経済的に極めて豊かになっている日本では、甘やかす、親が子どものためになんでもする、ということが、当然のごとく行われています。親は子どもが望むままを与え、必要のないものまで買い与えます。おまけに、子どもが体験するだろう苦労が見えれば、先回りして、苦労しないよう苦心します。
大人は仕事で忙しい。子どもたちも学校の勉強や部活や習い事で忙しい。必然的に、一緒に過ごす時間が少なくなり、食事を一緒にしても黙していたり、視線はテレビを向いていたり、ましてや、じっくりと生き方について語ることなどもなく、淡々と日常生活をこなしているだけになってしまっている家庭も少なくないようです。だから、その埋め合わせに、もっともっと物を買い与える、というようなことになります。
もちろん、それではいけないと、小さな頃から、社会生活に、家でのお手伝いに、子どもたちをしっかりと飛び込ませ、たくさんの苦労を体験させ、でも、子どもたちとの一緒の時間を最大限大事にして作り出す親もいます。
その結果に違いがあるのかないのか。違いは、15歳、16歳頃には、はっきりと出てきます。日本のリズムが決まった日常生活の中では鮮明に見えないかもしれませんが、留学という独り立ちを強いられる場では、その違いは、浮き彫りになります。
どういう形で出てくるかというと、留学中に積極的な姿勢で社会生活に身を投じることができるか、それとも、してもらうことを待つだけの身となるか、という違いです。したいと思うことに壁がない、あってもそれを簡単に突き破れる生活になるか、それとも、何かしたいと思えば四方壁ばかりの生活になり自分ではなかなか動けない生活になるか、の違いです。
留学生活のクオリティに差が出るだけではなく、自立の仕方もスピードもまったく違うものとなり、留学の成果には、比べようのない差が出てきます。それは、その後の行き方にも大きく影響します。
そういう差はあれ、お子さんを留学に出された親御さんの決意と勇気と信頼に、深い敬意を表します。まさに、かわいい子には旅をさせよ、の大決断です。15歳、16歳で、子どもを手元から手放すということは、なかなかできないことです。それを、敢えて実践されたことを称えます。
子どもたちは、というよりも、人間すべてでしょうが、当たり前にあったものがなくなった時に、始めて、その貴重さに気付きます。それが、どれだけ特別なことであったか、そして、それが、どれだけ感謝にあたいするものであったかを。
決して、あって当たり前のものではなかったということに。
先日、学芸館高等学校の英語科2年生の保護者の皆様にご覧いただいたビデオの中には、親御さんへの感謝の気持ちがたくさんこめられていました。
いろいろな体験を踏む機会を与えていただいたことにも、そして、苦労する中で、自分がいかに恵まれた存在であり、それが、親御さんに授けられているものであることを強く認識するようになります。
そんなメッセージが、コウキ君から届いています。
「こんにちは。
こうきです。
もうオーストラリアに来てから5ヶ月がたとうとしています。
キャンベラやイヤーセブンキャンプなどたくさんの経験が得られました。
初めは少し心配があってうまくやっていけるか不安でしたが、今はもうオーストラリアの生活にも慣れてきて、毎日楽しく過ごさせてもらっています。
ホストとの関係もうまくいくか不安でしたが、今はもううまく出来ているとおもいます。
学校生活も日本とは違う新鮮な体験ができて毎日がすごく楽しいです。
留学という貴重な体験を高額なお金をかけてさせてくれている両親には感謝しても感謝し切れません。
最後に、留学にこられて本当によかったと思います。
貴重な経験の機会をありがとうございます。」 by Koki
ありがとう、コウキ君。
みんな苦労をして、悩み、苦しみ、それを乗り越えて、いい大人になっていきます。
本当に、お父さん、お母さんに大きな感謝ですね。