Thank you, Mr. Fazzolari

投稿日:2014年6月2日

あまりにも若すぎます。

ファツォラリ教頭先生が逝かれてしまわれました。

子どもたちが大好き。いつも子どもたちを暖かく見守ってくださった。

愛妻家でも知られ、お料理、お裁縫が大好き。

日本に旅行された際には、呉服屋やクラフトのお店に立寄り、たくさんの布地を集め、これで何を作る、これはこういうものに使おうかと思うと、いとも楽しげに見せてくださった。

キルトのベッドカバーになり、あるいは壁飾りになった作品をわざわざ学校に持ってきて披露してくださった。

校内で出会う先生は、いつも忙しそう。あれやこれやの対処に追われ、でも、その中で、時にICETオフィスに顔を見せてくださり、たくさんの笑いを巻いて行かれました。「ICETのオフィスに来ると、自然に心が和む」とおっしゃり、饒舌になられることもありました。

大きな目と体から溢れるエネルギーは、爽やかな笑顔に乗って、周りにいる人々に自然に伝染するものでした。

Fazzolariと、お名前の中にLとRが混じり、しかもイタリア語。日本人の生徒たちには、なかなかと覚えにくく発音しにくいお名前なのですが、ファツォラリ教頭先生は、ICET/DHSプログラムの強力な支援者でした。

ICETがラッキーなのは、DHSの歴代の校長先生方やたくさんの先生がたの強力な後押しがあることですが、ファツォラリ教頭先生は、過去8年間、常に、ICETの生徒たちをDHSの生徒たちの中にどう組み入れるかに留意し、その機会を積極的に見つけ出し、アイディアを出し、実践のために尽力し、交流を推奨してくださいました。

 特に大きな影響があったのは、7年生の合宿にICETの生徒を含めることです。

アンダーソン教頭先生と一緒に、こういうアイディアがあるんだけれど、どうだろうと提案にこられた際のなんとも嬉しそうな表情が、今も鮮明に目に浮かびます。

7年生にとってもDHSは新しいところ。ICETの生徒たちにとってもDHSは新しいところ。それぞれのチームワークが必要。学校が信頼できる場であることを感じられることが大事。新しい挑戦に臨み、その勇気と奮起を学校生活の中に活かしていくことを感じ考える良い機会であること。DHSに入学してきた7年生たちは、全員ICETの生徒たちがDHS生であることを理解し、友達になる機会を得るだけでなく、居ながらにして国際的な要素に触れることができる。7年生には、10年生からmentor (メンター、上手な導き手)が付く。その生徒たちは、10年生の中でリーダーシップを執っている生徒たち。ICETの生徒たちには、新しい学校の中で、7年生と10年生と一緒に交流し知り合う絶好のチャンス。

7年生と一緒に合宿に行くなど、想いも寄らない発想に、大感激! 大感謝! 願ってもないこと。

そして、参加したキャンプ。

その初めての合流キャンプで、7年生の模範となるべきICET生たちがルール違反。

キャンプ後、お二人の教頭先生は、とてもとても失望され、その時の表情も、今はっきりとまぶたに浮かびます。

先生のひとつひとつの表情、動作も、すべてが大きく、豊かであり、その瞬間を本当に真剣に捉えていらした先生。常に、生徒優先の立場を貫かれた先生。

 ルール違反を寛容に許してくださり、年度の始めのY7との3日間の合宿は、ICETの定例行事として根付きました。

キャンパス全体の雰囲気にも、ICETの生徒たちとDHSの生徒たちとの付き合い方にも、DHSに入学してくる現地の子どもたちの国際交流の体験としても、また、ICET生の留学体験の一部として、その効果は、計り知れなく大きなものとなりました。

DHSの校長先生も教頭先生も、全校生の一人一人の名前、学校での様子などを記憶されています。ファツォラリ先生は、何千人という生徒たちの思い出を抱いて旅立たれました。

その何千人という生徒たちの心に、ファツォラリ先生の姿が刻まれ、脳裏に先生の言葉や口調が残っていることでしょう。ICETが存続する限り、先生が残してくださったレガシーも存続します。

私たち人間には、必ず終焉が来ます。その悲しみがあって、私たちは、生の大切さを再認識します。

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先日、Working Beeで植えたこのプラントは、ファツォラリ先生のお家の庭からいただいたものです。ICETのオフィスの窓の外にあります。ファツォラリ先生の温かな支援が送られているように感じられます。先生にさようならを言うのではなく、先生の生き方の原型が託されたこのプラントに「生」を感じます。

01032011144お元気でいらした頃の思い出深い写真があります。

大きな大きな感謝の気持をこめて、ご冥福をお祈り致します。

 

 

 

 

 

 

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