半年の成長4

投稿日:2014年7月21日

子どもの成長の仕方は、子どもの数だけ違います。

心身の発達段階も、関心を持っていることも、目標としていることも、努力の注入の量も有無も、自立の度合いも、みんな、みんな、それぞれに違います。

だから、人との比較は無意味で、大事なことは、本人が成長、達成、努力の結果を正当に認識することです。努力もせず、勉強もせず、ある程度のことをできれば、上々と、それで良しとしてしまう子もいれば、大きな達成を遂げていてもダメだダメだと達成を認めようとしない生徒もいます。

不思議なことに、そのどちらも、自信を得ることができません。

自信は、意識的に何かの目標に向かい、努力を注入し、達成を認識することで体の中に、心の中に、頭の中に、徐々に蓄積されていくものです。

褒められたら、素直にそれを受け止めることも大事です。褒められても、そんなことは無いと否定してしまったら、それが自信として体に根付くチャンスは半減します。

褒められたら、”That’s nice. Thank you for your kind words.”と受け止めると、自分の中に落ち、そのいい気持が自信へとつながっていきます。

自分が努力して得たものは、多いに誇るべきです。一人で喜ぶのもいいし、それを誰かに話して一緒に喜んでもらったら喜びも、誇りも、自信も倍増します。

感想を続けましょう。

「以前は、初対面の人とは恥ずかしくてほとんど話せなかったのですが、今は、話せるようになっています。”Hello” “How are you?”ぐらいだったのが、今は、相手のバックグラウンドや情報を聞き出し、話を長引かせることもできます。」

「早寝早起き、朝時間通りに起きられるようになりました。」

「ホストとの関係がよくなったことです。携帯に依存していた最初の頃は、ホストとの会話がほとんどありませんでした。携帯を預けてからは、ホストとの会話が増え、ホストとの関係がうまくいくようになりました。」

 「この半年で成長、変化したと思うことは、思ったことを実際に行動に移していることだと思います。留学に来る前から、けっこう積極的なほうでしたが、でも、する前から、諦めてしまって、実行するチャンスを逃してきたように思います。留学では、このことを本当に変えたかったので、最初のオリエンテーションから発表を心がけたり、話し合いの場では、自分の意見を言い、自分を変えてきました。」

「勉強面で学んだことはたくさんあります。FoE (Function of English) や AR (Academic Reading) の授業では、実用的な内容だったので、学んで ⇒ 使って ⇒ 学んで ⇒ 使って、という感じで、いいコミュニケーションができるようになりました。」

 手元に原稿がないので、生徒の言葉ではなく、私の言葉になってしまいますが、次のような感想もありました。

「いろいろしているのに、学習もしているのに、努力もしているし、得ていることもたくさんあるのに、なぜか、それを前向きに捉えることができず、それどころか、それに満足できず、そんな自分をpositiveに感じることができない、という状態がしばらく続いた。いい気分ではなかった。それが、どうしてなのか、ようやくわかった。それは、以前とは違って、「もっと高いレベルを求める自分」が頭角を出してきていたからだった」という意味のものです。

「下流志向」<学ばないこどもたち 働かない若者達>という本があります。講談社文庫、内田樹著。子どもたちがある状況に陥ってしまうのは、いろいろな複雑な経緯の重なりがあってのことで、悪循環を断ち切ることができない結果のことなのだろうと思いますが、子どもだけではどうすることもできないことで、大人や社会全体の支援を必要とすることです。

留学している子どもたちは、あらゆる意味でその対極にいる若者です。日本のご家族からいただいたこの貴重な機会を、自分のためだけでなく、社会のために、そして、地球の未来のために、力いっぱい活かして欲しいですね。

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