IELTSとEQに関する面談
投稿日:2014年8月7日
リナさんからの寄稿です。
こんなふうに生徒たちの様子が生の声で伝わってくるのはいいですね。
「オーストラリアにきて帰国まで今日でちょうど4ヶ月になりました。
オーストラリアももう少しで春の季節になります。そして、Term3も過ぎるのはとても早く、もうすぐで半分が経とうとしています。
つい先日、2回目のIELTSの結果が返ってきました。IELTSは年に3回おこなわれ、スピーキング、リーディング、ライティング、リスニングの4技能を行います。
オーストラリアにきてすぐにやったものと比べると自分が思っていたよりも英語力が伸びていてうれしかったですが、一方で、自分の新たな課題や目標も見つかりました。
いま自分がどのくらいのレベルにいるのかやどの部分を伸ばしていけばいいのかが分かったので勉強も前よりもやりやすくなったと思います。私の1番の課題は単語をできるだけ覚えることなので授業で習ったことはもちろん、一つでも多く新しい単語を覚えていこうと思います。
長いと感じていた留学生活も残り4ヶ月となりました。英語面では少し焦りも感じているので残りの4ヶ月は、今以上に勉強をがんばりたいと思います。そしてホストファミリーとの生活も大切にして残りの留学生活を思いきり楽しみがんばろうと思います。」by Rina
IELTSを年に3回実施するのは、まさに、このためです。
自分の成長を見ること。成長を認識し、喜び、そして、新たな目標を持つこと。
リナさん、寄稿、ありがとう。しっかりと成長を受け止め、次の目標に向かっていることがよくわかります。これは、とても大事な姿勢です。
IELTSの結果が出て、Mr. Manningと私との個人面談を先週から行っています。
Mr. Manningの面談内容は、まず、生徒が、その結果をどう思うかを聞かれます。その後、生徒個々の今までの学習ぶりがどのようにIELTSに反映されているか、あるいは、反映されていないか、普段の学習ぶりがテストに相当分反映されていなければ、テストの最中に何に注意をすればいいのか、学習のポイントをどこに置くべきか、今後は、どこに力を入れればいいのか、時間の使い方、学習の仕方などのアドバイスを受けます。
私からは、以前、お話しましたダニエル ゴールマンのEQ (Emotional Intelligence)「心の知能指数」についてです。EQは、生きていく過程のすべてにあてはまるのですが、EQを上手に使っているかいないかは、学習成果にも大きく影響します。生徒たちが、自分のEQを自己査定したものをチャートにしたものがあるのですが、それは、普段の学習ぶりやテスト結果などに不思議なほどマッチします。そのチャートを見ながら、これからの目標と課題、そこに自分の気持ちをどう整えていけばいいかなどを一緒に考えることが面談の目的です。
IELTSは、あくまでもひとつの査定方法であり、いずれの試験も同じように、これで、すべてを測れるものではありません。しかしながら、この試験は、普段の生活で何をしているかがよく出てきます。
先生がたは、「vocabulary(語彙)を増やせ」と常に言われています。単語や言い回しを覚え、練習し、使えるようにすることです。暗記だけしたって、ダメなのです。たとえば、Listeningは、どんなに聞き取れても、それが正しいスペリングで表現できなければ、聞き取れたことにはなりません。
Speakingも、どんなトピックが出てくるかはわかりません。出てくるトピックについて、どれだけのことを話せるか。「わからない」「関心がない」「考えたことがない」では、答えにもなりません。テーマから、どれだけいろいろなことを連想し、マインドマップのように考えを広げていくかで試験の結果は、まったく違ったものになってきます。
それは、普段から、どれだけものごのについて考え、そうした会話をホストや友達と交わし、自分の考えを大きく広げていくかということが基盤となります。
英語学習のポイントは、4領域(読む、聞く、書く、話す)の力をバランス良くつけていくことです。バランスが取れているか、凸凹があるか、そうしたことが如実に出てきますので、普段の学習方法のポイントも明確に見えてきます。
IELTSに関わらず、別の試験やアサインメントなどにおいても同じ事なのですが、ひとつの達成を達成として認識することは、極めて大事なことです。当たり前ですが、一人残らず、全員、伸びています。毎日、これだけの学習をして、英語環境に暮らしていて伸びないはずがありません。その伸びは、日本にいたら何年も何年もかかるものです。
半年で1バンド(全部で9つのレベルがあり、その1から2、2から3、5から6といった、ひとつのレベルから次のレベルまでの範囲をバンドと呼びます)伸ばすというのは、すごいことなのですが、中には、2バンドあるいは技能領域によってはそれ以上に伸ばしている生徒がいるので、どうしても比べてしまうのでしょう。そうなると、伸びて成長したことが喜びではなく、それだけしか伸びなかったと苦痛に変わります。
そうなったら不幸です。そこで、また、自分はダメ、というなんとも恐ろしい罠の中に落ち込むのです。入り口でのレベル、学習方法、努力の仕方、みなそれぞれに違うわけですから、自分の成長を見ずに、人と比較することは、それ自体意味を成さないものであり、結果として、自分が劣ると思ってしまったらい、百害あって一利無しです。これは、数値という成績で自分の業績を測ることしかしてこなかった結果なのですが、自信を持つためには、まずは、成長をしっかりと認識することが最も大事なことです。
次への目標設定は、まずは、成長を正当に受け止め、喜ぶことができてからのことです。成長を認識しないまま、もっと、もっと、とそこだけを追うと、いつまでたっても自信は出てきません。
自分の大きな成長とこれまでの努力をまずは誇るべきです。それから、しっかりと次の目標を設定しましょう。
IELTSについてもっと詳細な説明をご覧になりたい方は、こちらでどうぞ。http://www.icet.edu.au/fusae/?p=11428