MDGs 8つの目標
投稿日:2014年8月19日
MDGsという文字に馴染みのある方は、いらっしゃいますでしょうか。
Millennium Development Goalsの頭文字です。日本では、「ミレニアム開発目標」と呼ばれています。
2015年までに世界の貧困を半減しようという国連で採択された取り組みで、主に先進国の協力をよびかけたものです。2000年に取り上げられたので、ミレニアムという名がついています。
目標は、次の8つにまとめられています。
1 Eradicate Extreme Poverty and Hunger (極貧と飢餓の絶滅)
2 Achieve Universal Primary Education (初等教育の普及)
3 Promote Gender Equality & Empower Women (男女平等と女性の力の向上)
4 Reduce Child Mortality (子どもの死亡率の減少)
5 Improve Maternal Health (母体の健康改善)
6 Combat HIV/AIDS, Malaria and other Diseases (感染病の予防)
7 Endure Environmental Sustainability (環境の保全と維持)
8 Develop a Global Partnership for Development (地球全体のパートナーシップの強化)
日本のように極めて豊かな国に生まれていると、世界にどれほどの貧困があるかは、あまりピンとこないことです。ましてや、そういう貧困が、先進国のいろいろな搾取によって生まれてくるなど、想いもよらないことです。
グローバル化、貿易の自由化により、アメリカやEUのような富める国と発展途上国、特にアフリカや南アメリカのような貧しい国々との格差は大きく開くばかりです。アメリカが輸出に助成金を出し、安いものを供給すればするほど、貧しい国の農業は疲弊し、壊滅していきます。
北の消費者の欲望とより安いものと便宜さを求める指向が南の生産者の生活を壊し、環境を破壊する。この循環を止めない限り、発展途上国が経済的に自立し、国を富ませることはできないでしょう。そして、そこからあがる莫大な富は、少数の企業や人々の手にしか渡りません。
海の資源も同じです。世界の水産資源の10%を食べてしまう日本人。モロッコのタコ産業を壊滅させた日本の食欲。アフリカの沿岸の魚で食卓を豊かにするEUの国々。南の海は、そこに住む人々が食べる魚がどんどんと減っています。
そうした食料資源や、生産や消費の仕組み、そこから起る弊害を知ることで、世界のすべてがつながっていることを理解します。
目標達成の時期は、2015年ですので、もうあと500日くらいしか残されていません。
CAPDの授業では、これから数週間MDGsの内容を学習し、まとめ、それをDHSの10年生に発表し、一緒に議論します。DHSの生徒たちも極めて恵まれた生活をしていますので、こうした時間を一緒に持つことは貴重です。
物に溢れている日本、オーストラリア、そして、他の先進国。その一人ひとりが世界の貧困その他の問題にどのようなことができるのかと思うのですが、一人の消費者としてどういう意識を持つかが、世界の今後の食料の安定、しいては、平和を左右するところまで結ぶついているのであれば、賢い消費者になりたいですよね。