旅の終わりは、また新たな旅の始まり

投稿日:2014年12月7日

2014年度の1年組の生徒は、全員帰国しました。

毎年のこと、無事にお返しできたという安堵感と、ひとつの大きなことが終わった後の虚脱感、そして、一挙に大勢の生徒たちがいなくなってしまった寂寥感のようなものにホストも先生たちも襲われるのですが、幸運なことに、シニアの生徒たちがいてくれます。

日本に戻り、お母さんのおいしい手料理に舌鼓を打ちながら、久々の我が家の感触を体全体、心全体に感じ取っていることでしょう。

ひとつの旅が終われば、また次の旅が始まります。

二つの文化、それも、オーストラリアと日本というふたつの全く違う文化を体験した若者たち。

オーストラリアに来た時には慣れるのに時間がかかり、今度は、日本に戻ると、知っていたはずの文化に慣れることにまた時間がかかります。

すぐに何の抵抗もなく、すっと入ってしまえる人もいます。でも、大方は、ふたつの文化の狭間にしばらく留まることになります。

そして、徐々に、元の文化の中に自分を調整しながら戻していく、この作業と過程がとても大事です。自分の文化に戻るというよりも、自分の文化を再認識し、そこに改めて留学する、というような感じとでもいえばいいでしょうか。

ご家族の方々とも、1年の空間を埋め、知らない間に遂げた成長の内容を理解していただくまでには、当然時間がかかります。一両日で切り替えが簡単にできるようなものではありません。留学先の生活に深く飛び込んでいればいるほど、日本の環境に再フィットするまでの時間も長くなります。周りの方々の理解を必要とする部分でもあります。

でも、この調整を上手に進めることが、次の旅を上手に始められるということでもあります。

今年、オーストラリアに向けて関西空港を発つ際に、送りに来てくださった学芸館の先輩を覚えていますか?

「その時にこれから出発する後輩たちから受けた刺激とエネルギーは大きかった」と、帰国の際にも迎えに出てくださる予定でいらしたのですが、飛行機が岡山着となりましたので、ぜひ伝えて欲しいと、メッセージをたいだきました。

「1年間あっという間に過ぎたでしょ?

大空に羽ばたいた皆さんは日本のご両親の元に帰ることで、うれしい反面、日々生活の中で鳥かごに戻ってしまった気分になるかもしれません。しかし、社会に出ると自分の思い通りに行かないこと、欧米と違い意見をする事が許されない環境に遭遇することもあります。鳥かごに戻り、その環境に耐えるということは、将来万が一そのような環境に出くわした時の備えなんです。

経験、体験は偶然ではなく必然的に自分の人生に返ってきます。我が身に降りかかることは良いも悪いも将来への備えだと思ってください。

1年前は立ち上がることも歩く事も出来なかった我が子は、今は走り回り、会話も出来るようになりました。皆さんと同じだけ目まぐるしい成長を遂げました。親は子の成長ほど嬉しいものはありません。帰ったらご両親に感謝の気持ちを伝えて下さいね。男の子も女の子もご両親にHugつきで(笑)」

以上、エミ先輩からのご自分の体験を踏まえた上での、後輩のみなさんへの貴重なアドバイスです。

この意味が、徐々にわかってくることでしょう。

これからまた始まる新しい旅が、苦労はあっても実りの多い物であることを祈ります。

 

 

 

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