Re-Connnection

投稿日:2014年12月13日

ちょうど1週間前の今日、ICET生が日本に帰国していきました。

日本の生活に戻ってのこの1週間は、どんなだったでしょう?

戻ってすぐに数日は、周りからのアテンションもある、自分もいろいろ物珍しい、ということで、時間があっと過ぎたことでしょう。

帰国の印象は、まだ表面的で物理的なものに留まっているかもしれません。

日本の生活に何の問題もなくすっと入れるのは、ある意味ではラッキーです。ある意味というのは、もしかしたら、その下の深みあるものを意識しないままで過ぎて行ってしまうかもしれない、そうだとすると、留学した意味も掘り下げないままで次に行ってしまうかもしれない、という意味でです。

多くの帰国生たちは、きっと、何かが、どこかが違う、という違和感を感じていることでしょう。でも、その違いを味わい、探求し、そこから学ぶことが、1年の留学の中身をさらに濃いものにしていく過程となります。

違和感を持つのは、まったく自然の現象です。1年、その地にいなかった。でも、その間に、その地の生活は連続性を持って存在している。そこにふわっと入って行くのです、帰ってきたよ!と。そこに違和感、ギャップがあって、当然です。それは、生徒だけでなく、一旦帰国の慌ただしさが過ぎて落ち着いてくると、ご家族の皆様も、何かが、どこかが違うと、感じてみえることでしょう。

1年の違う所で生活していた人が、1年前と同じであるはずがありません。

1年の留学後に日本に戻るということは、ある意味で、自分の国に(再)留学するようなものです。

 どういう意味かというと、すべてのことと、もう一度コネクションし直さなければならない、ということです。

まず、家族との絆。親子だから当然わかっている、と生徒本人もまたご両親も思われるかもしれません。これが、落とし穴になりかねません。人間は日々変わっていきます。わかっている、理解している、というのは、通常の日常生活でさえもコミュニケーションのズレを起こす原因であるのに、1年も離れていたのに、「わかっている」と思うのはとても危険なことです。

帰ってきた青年は、知らない青年と思われても言い過ぎではないほどに、彼ら若者達は1年前とは違っています。付加価値をたくさん、たくさん付けてきています。だから、元々の部分は同じでも、違う人物と思えるほどに身に付けてきたものを大きいのです。

成長した生徒の側は、ご両親にわかっていただくだけの努力をしなければなりません。ご両親もその付加価値を理解するためには、ご自分の価値でジャッジ(判断評価)されることなく、まずは心を寛くして耳を傾けられることが求められます。

日本の文化や社会はどうでしょう? 生まれてから留学する時まで見てきた日本と、留学して外から見た日本はとても違ったものに見えましたでしょ? 視野が拡大し、別な観点から眺めたことによってその違いが起こりました。

再び日本に戻った時、日本の社会や文化を改めて感じ、学び、自分のものとする必要があります。なぜなら、見る目は、外国から見た日本という別の観点が増えた目で再び自分の文化を眺め直すわけです。また、さらに違った物が見えてくるでしょう。それが、文化の理解です。そして、その日本の文化ともう一度コネクションする必要があります。

それができないと、自分も苦しい、周りの人々も苦しい、そして、場合によっては、留学したことが失敗だった、というとんでもないおかしな方向に行ってしまいかねません。

文化の理解というのは、それが自分の育った国であれ、訪問する国であり、移り住む国であれ、その文化の中に自分が調和する場所を見つけることができるということです。さらに、その文化に対して何らかの貢献ができれば、自分の存在価値は周りから認められ尊重されるものとなります。

日本の文化の中でも上手にやれる、オーストラリアの文化の中でも上手にやれる、また別の文化に入っても上手にやれるとなれば、あなたが上手に住める世界は無限に広がり、まさに文字通り世界をまたにかける活躍が可能となりましょう。

本来留学した目的のひとつは、そうした資質を広げるためですよね。そうであれば、日本の文化と再びコネクションして、その中で上手に自分を活かしていくことを考えることが極めて大事になってきます。

あまりにも違うふたつの文化。その狭間でまた夢うつつのところもあるのではないかと思いますが、それ間を行き来し柔軟性や順応性を身に付けていることが示せる皆さんは、本当にすごいと思います。

これからしばらくの時間は、すべての人と物、勉強方法、そして、環境とのre-connectionの時間であることを自覚して、しっかりと取り組んでください。1年間の収穫を十分に活かせるためにも、そして、これからの道を大きく拓くためにも。

 

 

 

 

 

 

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