学習の段階
投稿日:2015年2月9日
人間は、本当に才能豊かな生き物です。
どのくらい豊かかを示す良い例があります。
ひとつひとつの卵子が母親の遺伝子を運び、ひとつひとつの精子が父親の遺伝子を運んでいる。このこと自体が、人間の神秘で崇高な「能力」を示すものです。驚異です、どう考えても。
みなさんは、人間の受精卵が分裂しながら、やがて、人間の形を作っていくという過程を映像でご覧になったことがありますか?
小さな小さな細胞同士が、自然に集まって血流を作り、ある細胞は頭脳の部分に行き、別の細胞は心臓となり、と自然に(?)分化していきます。
どうして、そんなことがわかるのでしょう? 自分が体のどこの部分になる細胞なのだ、なんて。。。
そんな優れた細胞からできるいる人間。生まれてからも脳細胞は、増え続けます。
人間が持っている様々な機能を上手に使えるようになるかどうかは、人間の生まれてからの日常の体験の中で、それらをどのくらい使い、訓練していくかにかかっている、ということになりますでしょうか。
このことは、勉学の仕方や、何をどう学ぶかということによっても大きく影響されます。
オーストラリアの授業に入ると、今まで日本の学習ではあまり使っていなかった部分を使うことが求められます。求められても、慣れていないし、やっていないことは、すぐにできるわけではありません。
でも、こちらで求められていることを積み上げていくことで、自分が元々持っている才能をたくさん刺激し、使えるようになってきます。
生徒たちが先週学習したことのひとつは、下記のものです。上に行けば行くほどに、高度な学習技術を必要とします。
日本では、記憶し、理解するという学習はよくします。そこに集中しているといってもいいでしょう。
もっと応用力を付けることが必要、だから、大学入試制度を改革すると文科省が計画しています。それ自体が、応用力を付ける学習をあまりしていないことを物語っています。
豪の学校では、応用するということが、とても求められます。どの教科も、知識の積み上げよりも、応用に力が入っています。
そして、応用の結果を分析し、評価します。こちらでは、Critical Thinkingと呼ぶものですが、原因、結果を調べ、経過を分析し、間違いがあれば、どこでなぜ起こったのか、どうすれば成功に導くことができたのか、成功であれば、なぜ成功したのか、改善するには何をすればいいか、ということを教科の中で学習していきます。
探求し、考案し、創造するという機能が、それに続きます。
日本人の学生たちが、与えられたことはできるけれど、それ以外のことになると立ち往生してしまうことが多いのは、こういう機能をあまり使い慣れていないためかと思われます。
こうした学習方法を身に付けることが、留学のメリットのひとつです。身に付ければ、将来への恩恵は計り知れません。でも、それを可能とするためには、思い切り飛び込む覚悟が要ります。