ドラマ・アンサンブル
投稿日:2015年2月21日
去年の1月、誰も知っている人のいないところに、独りで飛び込んできた中学3年生の生徒がいました。
「中高一貫校なので、高校に入ったら1年留学することがわかっていた。でも、1年の留学では自分がしたいことができるようになるとは思わなかったから、高校卒業プログラムを探した。そこで、ICETのことを知った。だから、来た。」と。
オーストラリアに到着早々、DHSの全校集会でICET生たちが紹介された時、
「2020年の東京オリンピックで通訳をすることが私の夢です」と800人余の前で、自分の夢を語りました。
全体から、「ゥおう〜!」といううなり声にも似た反応が起こりました。
なかなかできないことです。この勇気を持つことは。
こういう宣言をすると、いいことがたくさん起こります。それは、周りがその夢に向けていろいろな支援を送ってくれることです。ICETの先生たちもDHSの先生たちも、夢が叶えられるようできるだけの応援に努めます。
1年が終わり、一緒に過ごし深い友情を築いたクラスメートのほぼ全員が日本に帰ってしまった中、再び、オーストラリアの地に戻ってくることは、決して簡単ではなかったはずです。
そして、11年生が始まると、去年との生活のあまりの違いに、「去年と全然違う」「まるで違う学校にいるみたい」と戸惑った最初。それから、もう1ヶ月。その感想が届きました。
「今年が始まって早くも1ヶ月が経ちました。
今年は私にとって2年目の年です。去年とは180度違う環境で戸惑いながらも毎日楽しく過ごしています。
リセスやランチタイムに改めて去年のICETのみんながもういないことを実感したり、授業では日本人が私しかいない光景にびっくりしたりしていたけれど、だんだんと慣れてきました。
生活も授業もだんだんと余裕が出来てきました。
そんな中、ドラマアンサンブルのオーディションがありました。
去年、私はドラマの授業をとっていて、とてもいい経験になったので今年も挑戦しようと思って受けてみました。
結果は合格でした! 帰り際、ドラマ・アンサンブルのメンバーになれたことはすごく嬉しかったけれど不安で緊張していた私に、ドラマの先生が、
”I know you can do it. You’ll be fine.” と言ってくださったおかげで緊張もほぐれ、頑張ろうと思えました。
ドラマはすごく難しいし、わからないことやできないこともあると思うけれど、私なりにできる限りドラマアンサンブルの1員として頑張ろうと思います。
そして残りの2年間のオーストラリアでの生活を充実したものにしたいです。」 by Aska
ドラマは、語学の学習に役立つだけでなく、姿勢や声の保ち方、また、パブリック・スピーキングや自分の表現の仕方など、人生を通して役立つものです。得に、こちらでのドラマは、即興が多く、常に、今、この瞬間に自分をどう表現するか、ということが求められます。
私は、大学でスペイン語劇のクラブに属していて、そこでの体験は、その後の人生の中で、いろいろな場面で役立ったように思います。お腹から声を出す発声法や、表情や視線の使い方などを習ったことの効用については自分では気が付いていなかったのですが、後になって人々に指摘されたり、あるいは、質問されて、それが役立っていたことを理解するようになりました。
英語を母語とし、演じることにパッションを持っているDHSの生徒に混じって、アンサンブルのオーディションを受けようというのは、並大抵の勇気ではできないことです。どうしよう、やりたい、でも、受かるかどうか、受かっても続けていけるかどうか、と何度も、何日も、さんざん迷った後での、やってみる、という決断。
その決断をした思い切りに、心からの敬意を表します。
そして、アンサンブルへの合格、おめでとう! ドラマのアンサンブルは、今まで、ICETの生徒では、誰も挑戦したことのなかった部門です。
Congratulations, Aska!!!