心はつながる

投稿日:2011年3月23日

 折り紙が大好きなFreyaちゃんという11歳の少女が、この写真の鶴を折って届けてくれました。真ん中の白い小枝は、たまたま海岸で見つけて自分の部屋に飾ってあったものだということ。

 彼女の祈りが、日本でご苦労されていらっしゃる皆様に届きますよう。

 DHSでは、7年生の生徒たちが、一緒に千羽鶴を折ろうと、ICETの生徒たちに誘いをかけています。 

 先週の水曜日に、DHSの全校集会で、1分間の黙祷があったことをお伝えしました。宗教を背景に持つ私立の学校なら黙祷は珍しくないことですが、公立の学校で黙祷をすることは、とても珍しいことだと聞きました。日本とのつながりが非常に強いデイビッドソンであるからこそ、それが自然な形で行われたのでしょう。

 SRCやPrefectのリーダーたちが、義捐金を集めるために何かしたい、と申し出ていてくれたのですが、それを待たずに、ICETの10年生の生徒たちを中心に、寄付を募るための焼きソバ作りを実施しました。それは、遠く日本から離れ、自分たちも何かせずにはいられないという逸る気持ちをできるだけ早い時期に何らかの形に置く必要があったからです。

 行事を行うためには、いろいろな手続きが必要です。特に、現地の生徒たちから寄付を募るのであれば、余計のことです。そして、するのであれば、できるだけの額が集まるのが望ましく、今週の月曜日と決まりました。でも、週末からの土砂降りが続いており、朝の様子では、野外での焼きソバ作りは絶望的でした。その雨の激しさは、被災された方々の涙に思えるものでした。

 キャンセルするわけにもいかず、できるだけの手段の中でするしかないと進めている中、そろそろ本格的に焼き始めなければという11時頃に、なんと、雨が止み、陽が差してきたのです。まるで、奇跡と思えるようなタイミングで。

 作っている間は、カンカンと暑いほどに日が照り、そして、昼休みが終わるとまた雨がパラパラ。まるで、その瞬間だけ、太陽が微笑んでくれたようでした。

 現地の生徒たちの焼きソバ好きを知らない10年生のICETの生徒たちは、「こんなのが4ドルで売れるはずがない」「誰も来てくれなかったらどうしよう」と不安の声を発していたのですが、あっという間に完売。作った分ではとてもとても足りなく、列を作って待っていた生徒たちには、申し訳ないことをしてしまいました。

 自分が所属するクラスがないこちらのハイスクールでは、ロールコールと呼ばれる時間があります。毎朝、その時間に自分があてがわれているロール・コールの教室に行き、そこで出欠が確認され、その日の連絡事項が伝えられます。この日のロール・コールで、10年生の生徒たち、SRCとPrefectの生徒たちが中心となって募金箱を持ってまわりました。

 その寄付金と焼きソバの売り上げの合計が$810ドルとなりました。このお金は、日本の赤十字に送られます。

 午後、下校の時間になって、「ここが寄付を集めているところですか?」と、DHSの7年生の生徒が来ました。「午前中、お金を持っていなかったから・・・ これ」と拡げた手のひらの上に2ドルコインが乗っていました。寄付を集めることを知らず、午前中できなかったことをとても心苦しく思ったらしく、お母さんに電話をして持ってきてもらったのだということでした。

 彼が後ろを向いて去った瞬間に、思わず、涙がこぼれました。   

 今日は、MLCで募金集めのための日本食作りが行われています。ユミさんとリホさんがMLCの先生や日本語を習っている生徒たちと協力して実現の運びとしたものです。梅井先生と柏木先生がお料理の応援にかけつけて行ってくださっています。

 そこでも、いろいろな物語が生まれていることでしょう。

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