心はつながる5

投稿日:2011年4月18日

 ショッピングセンターで募金活動をしました。

ユキさんの17歳のお誕生はとても特別なものとなりました

 10時から3時まで、通しで活躍した生徒たち、2時間の分担に力を注入した生徒たち、何をしていいかわからないけれど、ともかくも支援隊として参加した生徒たち。その立場は、いろいろです。でも、みんなの協力を得て、あともう少しで1000ドルに達するところまでいきました。

 そして、その夜、両親を亡くしてしまった子供を支援する目的であるのなら、100ドル寄付しましょうと電話をくださった方がありました。これで、昨日の活動は、1000ドルを越えました。

 前回同様、支援額としては微々たるものです。でも、大事なことは、つながっていると私たちが感じられること、そして、ここで学問を続けられることに感謝しながら、心身ともに疲れ切ってしまっている状態にある多くの被災者を少しでも支援する活動に従事することだと、私は考えます。

 「岡山学芸館高等学校」「盛岡中央高等学校」という文字の入った半被をまとっての参加です。「大阪学芸高等学校」の半被が手元になかったのが残念です。浴衣を持参してくれた生徒もいたのですが、場所や時間の関係で着けるまでには至りませんでした。

日本の学校の半被を着てのアピール

 公の場で募金をする、知らない人にお金を出してくださいとお願いすることは勇気の要ることです。オーストラリアのショッピング・センターで募金するというのは、私たち大人にとっても相当な覚悟を必要とすることで、ましてや生徒たちにとっては、とても大きな冒険だったことでしょう。そのためか、生徒たちからなかなか声が出てこないのです。なぜなのか、生徒たちと話してみました。

 まず、「募金お願いします」というような決まり文句がありません。「メッセージを書いてください」「献金してください」とお願いするなら、なぜ、どうして、どこに使うという説明をしなければなりません。ある生徒が言っていました。日本の場合は、箱を抱えているので、目的が何であれ、お金を入れて欲しいのだと、相手にすぐにわかる。箱をお腹の前に抱えているので、なんとなく安心感がある。英語で説明するのが難しい。間違ったことを言ったら困る。といろいろな理由が出てきました。

 ポスターにもっと理由を書けばよかったのではとか、地震とか津波とかの説明がないので、それをもっと付け加えるべきだという意見があり、筆とインクで大きく書き加える場面もありました。

 通り行く人々の募金に対する姿勢は、日本もオーストラリアも変わらないように見えました。遠巻きに私たちがいる場所を通る人。まったく知らん顔をしていく人。あえて、献金しないと言っていく人。

カメラアングルを工夫しながら

 でも、足を止めてくださった方々は、とても暖かでした。日本の被災者へのメッセージを書いてくださる方。数はとても少なかったのですが、ビデオに向かってメッセージを入れてくださる方もありました。中には、「日本には行ったことがないけれど、日本語習ったことがあるんだ」と上手な日本語でメッセージをくださった方もありました。

 5ドル、10ドル、20ドル札と、コインではなく、お札を入れてくださる方が多かったのが印象的でした。

 献金のために二度も来てくださった方があり、これには、みんな感激しました。 

 ショッピングに訪れた人々は、われわれが誰であるかは知りません。半被の学校名を読める人はまずいないでしょう。普通私たちが、募金に呼び止められた際には、私は、寄付するお金が本当に目的のところに届くかどうか、募金している人々の素性を確かめます。

 私たちが誰であるかの証明もなく、どこに送金されるという確定もないところで、それを尋ねることもなく、私たちの言葉をそのまま誠意として受け止めて献金してくださった方々に心から感謝するのみです。

メッセージを色紙に書いてくださる方

 「あしなが育成会」がいいのではないか、という声が出ています。県によっては、孤児となってしまった子供たちのための寄宿学校を建てようという計画もあると聞いています。いろいろなところに問い合わせていますが、こんなところがいいのではという案をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひともご連絡いただければ幸いです。

“心はつながる5” へのコメント1件)

  • Maki Hasegawa

    2011年4月19日

    ICET生の皆さんへ

    募金の様子、HPで拝見しました。
    日本では時が経つに連れ、震災に関するニュースの時間が減ってきている事実があります。
    仮設住宅への入居も始まり、自立した生活へ移っている方もいらっしゃいます。
    そんな中、両親をなくしてしまった子供達は、周囲から徐々に人が減り、時間が経つに連れボランティアの方々の支援が減りつつあり、1か月を過ぎた今、当たり前の様に傍にいた親がもういない・・・この現実を理解し始め言葉にならない淋しさと不安を抱えています。
    我が子が通う小学校では、応援メッセージを送ろうということで、1000人の子供達がそれぞれに想いを込めた手紙を書きました。
    親がいないという事がどんな事なのか想像できなかった我が子は、「毎晩誰と寝ていますか?一人ですか?誰かと一緒にお話しながら寝て下さい。」と書いていました。大した事は言えない、言葉にならない、これが子供です。

    生きる力は精神力。これからがその支えが必要な時。

    遠く離れた所から、募金のみならずメッセージの応援、本当にパワーをいただきました。
    皆さんのご厚意を私自身からも日本へ発信し、国内で出来る支援が減らぬよう努めたいと思います。

    ICET1期生:長谷川真紀

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