支援の方法
投稿日:2011年8月2日
日本にいる間に、東京にあるあしなが育英会の本部にお邪魔させていただく機会がありました。
3月11日以後、オーストラリアでは、震災で孤児になってしまった子供たちに何かできることがないだろうか、という話がいろいろなところで持ち上がっています。ICETの生徒たちが、募金活動をしたり、メッセージを集めたり、鶴でオブジェを作ったりしたのは、その一環でした。
「里親になってもいいよ」「部屋があるから提供してもいいよ」「教会の人たちによびかけたらヘルプしたいという人はたくさんいると思うから声をかけて」といって声をかけてくださる方々も少なくありませんでした。
オーストラリアの政府も震災の犠牲となった大学生に向けての奨学金を出すことを決めていますので、高校生の交換留学プログラムでもそうした援助が得られないものかと教育省に相談をもちかけました。
あしなが育英会にお邪魔したのは、子供たちが募金したお金のほかに、そうした、一連の動きの中で、日本での状況がどんなものであるのかを確かめ、一緒に何かできることがあるのかどうかをご相談するための訪問でした。
「今回の震災で、登録された孤児だけで1600人を超えます。実際の数は、もっともっと多いのだろうと思います。」
という説明に、声も出なくなりました。
育英会の創設者の玉井義臣氏は、ウガンダのホテルで津波の映像をご覧になり、即、日本に飛び帰られたそうです。そして、その後、ニューヨークで募金活動をされたり、非常に積極的に動かれているということです。募金もすばらしい勢いで集まり、まずは、一時的な給付を届けることがなによりも急がれるということで、職員の方々が(そのお部屋には20名ほどいらっしゃいましたでしょうか)休日を交代で取りながら、不眠不休の努力を続けられていらっしゃるということでした。
外国から、短期のホームステイの誘いなどいろいろな提供があるけれど、今は、そんなところにとても手が回らない。どうやって選んだらいいのかさえ、わからない、今は、現金支給ということが、一番望まれていること、というお話でした。
ボランティア活動でも、支援を受ける側と支援を提供したい側の願いが、なかなか合致しない。むしろ、支援が邪魔になることさえある、という話はよく聞くことです。ODAの発展途上国への支援も、ひとつ間違えば、支援が害になることケースさえあります。
今回も、適宜で必要とされる支援の出し方について、考えされられる訪問となりました。
ICETでも長期的な展望でできることがあるかもしれないと、これからも、様子をみながら見当を続けることになりました。