respect
投稿日:2011年8月2日
大阪の保護者の皆様、お忙しい中、お時間を作ってくださいましてありがとうございました。
岡山の保護者の皆様にも、改めて御礼申しあげます。
オーストラリアにいる子供たち、日本で応援してくださっている保護者の皆様、日本で援護射撃をしてくださっている学校の先生方、そして、オーストラリアで支援している私たちとが輪でつながることは、とても大事なことであることを、保護者の皆様にお会いできる機会があるたびに思います。
コミュニケーションは、お顔を拝見し、生のお声を拝聴することでしか得られないものがたくさんあります。それだけに、その機会は、ありがたいものです。
大阪では、来年度に留学を希望されてみえる生徒たちと親御さんに向けてのオリエンテーションに続き、翌日に子供たちとのオリエンテーションをしました。
留学後の生活を想定しながら、日本との生活の違いで注意すべきこと、そして、今から準備をすべきことを中心に、子供たちにactivityをしてもらいました。中でも、重きを置いたのは、留学のすべてが「信頼」で成り立っていること、そして、学校でもホストファミリーでも一番必要とされる「respect」について、考えることでした。
オーストラリアの学校生活、家庭生活の中において、このrespectという言葉が頻繁に出てきます。そして、「respectが感じられない」と先生やホストのパパが言われることがよくあります。本当に、頻繁にあることなのです。そのために、この言葉がどういう意味なのか、そして、どうしたらrespectを示すことができるかということを子供たちに考えてもらいました。
「信頼」は、簡単にいろいろ具体的に考えられるのですが、このrespectになると、子どもたちの考えが広まっていきません。その中で、感じたことは、「敬う」という意味が、日本語と英語では基本的に違うのではないか、ということでした。
日本語で敬うといえば、相手が年上であるとか、自分が相手を偉いと思っているとか、前提になる条件があるのでは・・・
英語のrespectには、「礼儀」「思いやり」「ていねいさ」というものが込められていて、「敬う」とか「敬意を示す」「尊重する」という言葉にある限定が存在しないのではないか・・・
日本語の「敬う」とか「尊敬する」と言う言葉には、自分ができないことをした人に対して示す気持ちであり、年齢的に上の人に対して示すものであると解釈されます。「尊重する」のは、そこにそれなりの価値をすでに見出しているから「尊重する」のでしょう。
英語のresepctには、「何かを成した人」「年齢が上の人」という観念は、まったく含まれていません。そこには、上下がなく、常に、相手が人であっても物であっても、自分と平面状で並び、自分と相手、自分と物との間で交わされるものだということです。そして、respectは、直接に自分に帰ってくるもの、むしろ、自分に対するresepctがあって初めて成り立つものなのではないか、ということです。
相手が誰であっても、そこにある物がなんであっても、大事に扱う、礼儀正しく接する、優しさを示す。そういう姿勢が大事だということです。その上で、その姿勢には具体的に何が含まれるか、を考えれば、respectを表に出して示すことができる、ということになります。
「遠慮する」ということでもないし、「迷惑をかけない」ということでもないのです。むしろ、言うべきことを言い、自分の気持ちを素直に表し、そして、話をする、ということが相手をrespectしていることになる、という観念は、できるだけ言葉を控え、自分の言いたいことを抑え、相手との交流は建前のみに留めることが礼儀とされる日本では、理解しがたい観念なのだ、ということを、今回、私自身も始めて理解したように思いました。
今回の日本での役目の最後であるそのオリエンテーションを終え、空港に向かったら、なんと、私のフライトは、キャンセルだということ。ありえな~い!!!
私の動揺を見抜いたのか、係りの方が、「10時過ぎの別のフライトがあるので、お一人なら、なんとかなるかもしれません。3時間待っていただけますか。でも、ダメという結論が出るかもしれませんが、それでも、そのダメという結論を受けてくださるのであれば、お待ちください。そうでなければ、ホテルのほうにご案内して、ご出発は明日になります」ということ。
「可能性があるのであれば、待ちます」と伝えたものの、3時間後にダメといわれても大丈夫と腹を括るまでには、しばらく時間がかかりました。月曜日の昼過ぎにシドニーには到着する予定だったのが、丸1日遅れれば、いろいろと狂ってきます。
3時間後に、「お乗りいただけます」と伝えられたときには、係りの方が女神に見えました。機内で、隣になったメルボルンの女性から、「金曜日のフライトが土曜日になり、その土曜日もギリギリのところでダメになり、そして、今日になったのだ」という話を聴き、自分がどれだけ幸運だったかということに、また、改めて感謝した次第でした。
今日は、シドニー組の全員と顔を合わすことができます。
午後、授業が終わった後に、スワンヒルに向けて、出発します。旅を半分に割り、Wagga Waggaというところで宿泊して、明日は、スワンヒルにいる生徒たちと会うことができます。