世界に広がる動き

投稿日:2011年10月16日

 エジプトのムバラク政権が崩壊したのが2月。

 去年の10月にチュニジアで人民の権利を訴えるデモが起ったことをきっかけに、この1年間で世界はそれまでの世界とはまったくの様変わりをしました。

 それまで考えられなかったことが、起っています。

 リビア、シリア、イエメンと「民主化」(これがどういう意味を持つかは別として)の動きが飛び火していきました。そして、イギリスの暴動。

 その間にも、欧州のソブリン危機は根本的な解決をみないまま、世界中の株式市場は、激しく揺れ動いています。金融システムが崩壊すると警鐘を鳴らしている経済学者も少なくありません。

 そして、1ヶ月前に始まったウォール街での格差是正のデモと座り込み。世界に広がりつつあります。東京にも、シドニーやメルボルンにも。

 10年前に大規模に世界に広がったデモが思い出されます。イラクへの戦争反対のデモでした。

 私が生まれて始めて参加し、人生で一度だけ参加したデモです。そのデモは、世界で同時に起り、何千万という人が参加したと聞いています。それでも戦争は起りました。

 イラクの一般の人々がその戦争でフセイン政権下よりも幸せになったのか・・・・ 

 その後に続いたアフガニスタンの戦争は、いまだに続いています。

 今回の「格差是正」のデモは、どのように広がっていくのでしょう? インターネットで即日、即刻、世界の様子がわかる今、そして、お互いに簡単に呼応しあえる環境がある今、次の日に何が起るのかは、もう、まったく予想がつきません。

 こうした世界的規模のデモがよい結果を生むのかどうか、それが、違う形の暴動に発展していくのか、それもわかりません。グループ心理は、一触即発の状態にあります。

 所得格差があまりにもひどい世の中。でも、それを少しでも変えようとする動きが政府からあれば、「社会主義」だと批判する資本主義信奉の人々。富の力で、世界政治を裏から動かそうとしている人々。

 格差を生み出している人々は、このデモをどう見ているのでしょう。

 おもしろい実験があるそうです。ネズミを一定面積の箱の中に放し、人口(?)密度によって、ネズミの行動を観察するというものです。密度が低いうちは、ネズミがけんかする姿はほとんど観察されないのに、密度を増すごとに、ネズミの行動に攻撃度が増してくるというものです。そして、最後は、共食い。

 人間はネズミとちっとも変わりないのだな、サバイバルは、動物の本能であり、人間が他の部族や国を襲撃するために、そこにどんなに崇高に響く名目をつけようとも、所詮は、このネズミと変わりないのだと、思わず笑ってしまいました。

 その一方で、世界には、共に生きよう、世界はひとつ、人類はひとつ、と人々をつなげよう、つなげようとする動きも確実に起こっています。

 自然災害が起きると、人間はつながります。災害がないと人間はつながることができないのか・・・

 「アラブの春」の動きも、「格差是正」のデモも、根底では、人々が平和裏につながりたいということのひとつの表れなのかもしれません。

 いずれにしても、世の中が、こんなにも激しく変わり、揺れ動いていく中、「教育」という場では、一体、若者たちに何を伝えていけばいいのか。

 彼らが未来に必要とするものは、どういうものなのか。真剣に問う毎日です。

コメントをどうぞ

お名前(必須)

メールアドレス(必須)

URL

ブログトップへ戻る