豪からの留学生
投稿日:2010年11月27日
ICETの運営の中に、交換留学制度があります。
「交換留学を推進する組織」としてNSW州政府の教育省に登録されています。この機能を介して、日本に留学した生徒の数は数え切れません。以前は、10年生の義務教育が終了する際の最終試験が8月にあり、試験が済んでしまえば、その瞬間から10年生の勉強には力がはいらなくなり、11年生への進学を待つ生徒にとっては、留学は、とても魅力あるものでした。各学校の校長先生も、留学を積極的に勧められたものでした。
留学を体験した生徒のほとんどは、学校で日本語を習っている生徒ですので、彼らの多くが、帰国後、HSCですばらしい成績を修めています。上位が発表される新聞に名前を見出すことが頻繁にありました。昨今は、義務教育終了の試験が11月になってしまい、長期で日本に留学する生徒が少なくなってしまいました。
交換留学は、もちろん受け入れ先がなければ成り立ちません。1991年に始まった交換留学は、当初は、岡山学芸館高等学校英語科2年生のクラス全員の留学と交換になる形のものでした。
オーストラリアから運んできた子供たちの文化や習慣は、日本の人々には驚きであり、楽しめるもののあれば、受け付けられないものもありました。そこで、設立されたのが、「グローバル・ビレッジ」という会でした。奥山進氏と英語科の先生方を中心に、問題解決にあたりながらも、お互いの文化からより学ぶことが多くなるよう勉強会を重ね、ホストファミリーを支援し、オーストラリアから来る子供たちを支援する熱い思いと強い絆で結ばれていたすばらしい会でした。
20年も前に「グローバル・ビレッジ」と命名した感覚そのものが、時代を先取りするとてもしゃれたものだったと思います。その感覚は、パイオニアならんとする胸にたぎる情熱に支えられたもので、力強い勢いに満ちたものでした。
そのグローバル・ビレッジは、時代の流れを経て、自然消滅しましたが、その精神は、学校を取り囲むコミュニティに綿綿と引き継がれているものと思います。
今年も、6人の若者が、日本に留学します。といっても、期間は、わずか6週間なのですが、この6週間が、彼らの世界を観る目を変えるようになるのです。受けてくださる学芸館高等学校とホストファミリーの方々に心から感謝申しあげます。
ホストファミリーは、去年、今年とオーストラリアで留学を体験した生徒たちとそのご家族、来年留学してくる生徒とそのご家族がほとんどを占め、国境をまたいだ大きなFAMILYの存在を感じます。岡山、シドニー、スワンヒルと散らばっているみんなが、どこかで繋がり、どこかで友情を暖めている、ということが、とても強く感じられます。
盛岡の生徒たちからも、ホストをしたいという強い希望があったのですが、残念ながら、今回は、諸所の理由で実現がなりませんでした。来年のフォーラムの時に、ぜひ、お願いします。
FAMILYの輪が、盛岡にも、そして、大阪にも広がるといいですね。
デイビッドソンでは、留学に先立って、Inductionという準備のオリエンテーションがありました。先生は、ICETの生徒たちです。9月には、盛岡の中央高等学校のフォーラムに出席するJakeとHilarlyの二人のために。今回は、ElanorとRachelのために。
MacKillopからは、Giorgia、Bridget、Alexander、Peterの4人が参加します。4人のオリエンテーションは、日本語のMartin先生が担当してくださっています。
6週間が、留学生にとっも、また、日本で受け入れ支援してくださる方々にとってもすばらしいものになることを祈っています。