URA FORUM 2

投稿日:2010年12月4日

 物事は、参加者が熱意を持つと、大きく進展します。

 6月29日に開催されたURA FORUMは、大成功でした。その理由は、ただひとつです。参加者が本当に一生懸命だったことです。準備に。結果を出すことに。そして、自分たちが納得できるレベルに作り上げることに。

 何週間も準備のための会議を開き、内容を検討し、リサーチを重ね、presentationを作成し、練習を積み、連日連夜遅くまで学校に残り、当日のdiscussionに熱心に加わり、その結果、彼らが得たものは・・・ 

 また、やりたいと思わせる充実感、達成感でした。

 実際に、日々の学習に加えて、この準備をすることは用意ではありません。生徒が夜下校することがほとんどないこの国のこと、ホストファミリーは、何事が起っているか、やりすぎではないかと、心配される向きもありました。

 でも、青春時代に、やった!自分の全力をつぎ込んだ!という体験を持つことがどれほど大事か。そういう体験が多ければ多いほど、一生懸命やることのすばらしさ、燃える瞬間があることの感動を心と体で感じるとることができ、人生の次のステップでそうした体験が必ず自分の糧となってきます。

 その感動を再び味わうことになりました。またやりたい、という気持ちを持ったのはICETの生徒だけではなく、参加したBlacktown Girls HSの生徒たちも同じで、ぜひとも、2回目をBGHSでやって欲しいという招待があって、今回のフォーラムが実現しました。

 11月24日。DHSの生徒8名とICETの生徒19名がBGHSに。両親の文化背景は、国籍は60を超えるというブラックタウン女子高。学校の雰囲気は、DHSとはまったく違います。ICETの生徒だけではなく、DHSのオーストラリアの生徒たちも、学校によってここまで違うのだ、ということにびっくりしたようでした。

 女子高ですが、フォーラムは男の子も参加OK。キャンパスでは、歩きまわるのをちょっとためらう瞬間もあったようです。

 ICETの生徒が受け持ったテーマは、「アニメは刺激的すぎるか」というもの。世界のアニメの60%が日本で生産され、多くの国々で禁止されているものがある、刺激的すぎるかどうかの境目はどこにあるのか、文化によって見識が違うのか、心理的・社会的な影響は、といったことをリサーチし、presentationにまとめました。

 DHSの生徒が受け持ったテーマは、テクノロジーに依存する世代に生まれた若者に、テクノロジーはどのような影響を及ぼすのか、特に否定的な面に視点をあわせてリサーチと発表を行いました。成長する段階で、こうした影響に目をむけ、しっかりと自覚し、それなりの構えを自分が持つことは極めて大事なことと受け止めました。

 BGHSのテーマは、「捕鯨」でした。今年のICETの10年生の生徒たちは、行事の関係で、捕鯨に関する学習の時間を設ける余裕がまったくなかったために、日本の捕鯨に関して、また、それがオーストラリアでどう受け止められているかの知識があまりなく、驚きと同時に、もっと知るべきだという感想を持ったようでした。

 各テーマのプレゼンテーションに続くdiscussionで、全員が一生懸命に参加している様子が見られました。6月末の時点での自分の英語での理解力、表現力に比べて、飛躍的に力が伸びていることを実感したのではないでしょうか。

 

 毎年、感じることは、先輩から後輩への教えの大きさということです。

 ICETは小さなグループゆえに、先輩、後輩が一緒に行事に参加する機会があります。ICETの3年プログラムができた最初から、先輩が後輩を導いている場面が至るところで見られました。中には、教科の内容においても、これでもか、あれでもか、と工夫をこらして教え、そして、後輩がわかった!と喜ぶのを一緒に喜んでいる姿などは、強く印象に残っています。

 今回のURA FORUMの準備においても、そんな先輩の導きが見られる部分が多々ありました。先輩、後輩の区別なく、意見を戦わせている様子は、頼もしい限りです。リサーチに加わった人たちの協力があり、先輩、後輩の互いの学びの場がそこにあったことに、深い感動を覚えました。

 Presentationの内容も質も、そして、presentersのKomei君、Taichi君、Hiromasa君の英語も、「すばらしいもの。これだけの準備と発表ができることは大きな賞賛にあたいする」とBlacktown Girsl HSの教頭先生からお褒めの言葉をいただきました。

 Blacktown Girls HSからは、BGHSにおける年1回のURA Forumの開催を定着させて欲しい、という申し出がありました。すでに、来年の参加希望者が殺到しているということなので、なんとも嬉しいことです。

 後輩は、先輩たちのこうした姿を見て、伸びていくのだということを実感したFORUMでもありました。

“URA FORUM 2” へのコメント2件)

  • 房枝先生、いつも先生の投稿を楽しみにHPを拝見しております。
    URA2008から2年が過ぎ、今年も捕鯨というトピックで話し合いをしたということで、2年前を懐かしく感じています。BGHSからのオファーは2年前では全く考えられなかったものですね!ICETの学生さんの努力は毎年何らかの形でより幅広く地域で認識されていることに私も嬉しく思います。準備も大変だったでしょうど、お疲れさまでした。後輩たちの頑張りに私も元気づけられました!ありがとうございました。

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    • 夕香理さん、嬉しいお便りありがとう! 2008年の捕鯨のpresentationの印象がよほど強かったのでしょう、BGHSは、別のテーマを差し置いてでも、ぜひ、それをしたいということでの発表でした。URA Forum が徐々に根付いてきていることを感じます。それも、みなさん先輩たちとそれに続く生徒たちの熱心な取り組みがあっての成果です。嬉しいことですね。こういう場が、少しでも、いろいろな文化の人々への理解を深め、みなさんの国際的な舞台での将来の活躍に役立つことを願っています。同時に、生徒たちがすべてをorganiseすることで、企画運営の練習の場ともなりますものね。それも、あなたたち先輩がたくさんの財産を後輩に残してくださったからですヨ。ありがとう!
      そして、その後輩のがんばりが先輩を元気づけるというのは、とてもすてきな循環ですね。なんとも嬉しいことです。

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