Bell Ringers

投稿日:2012年8月19日

St. Mary’s Cathedral(セントメアリ寺院)の鐘を鳴らすところを見学しました。

この塔の一番上に鐘があり、そこに到達するには、狭い塔の中にあるらせん状の石の階段を登っていきます。足を乗せる幅が狭く、延々とクルクルまわるような感じで上に上にと登ります。

上には、かなり広い部屋があり、そこには、さらに塔の一番上にある鐘とつながっている紐が14本ありました。紐の上は、天上の板で遮られていて上に何があるのかはわかりません。

そこで、少し、お話を伺いました。

カトリック教会ですが、同じカトリックでも、6個から12個の鐘を紐で引張ってメロディを作り出していく方法はイギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど英語圏の国だけに見られ、英国国教の教会に限られるものだとのこと。イギリスでは、16世紀から浸透し、500以上の教会にベルがあるとのことです。

オーストラリアは50ほどの教会にベルがあり、セントメアリーの鐘は全部英国で鋳造され、船で送られてきたものとのこと。

鐘の大きさはみな違い、音色の高い小さなものが270トンくらい、重厚な音色を出す大きな物は、1570トン。鐘は重いのですが、紐で引張るにはそんなに力が要ることではないようです。でも、訓練が必要で、良い音を出せるようになるまでに3週間、仲間と一緒に演奏ができるようになるには週2回から3回の練習と続けて半年くらいかかるということです。

全部、数字の組み合わせで、ベルを鳴らす人たちは、この数字を見るだけで、どういうメロディになるかがわかるようです。

 この寺院は大きいので14個鐘があり、普段は特別な時に12個、14個を使うのは本当に特別な時だけに限られるということでした。

Bell Ringersの方々には、ある特典があるそうです。それは、お互いへの尊敬の念が高く、英国国教教会を訪ねたら、どこの国であっても温かく仲間に迎えられ、その教会のベルを鳴らす機会が与えられ、まったく壁のないおつきあいができるのだそうです。鐘を鳴らすということには、特別な精神があり、仲間にはすぐに通じるものがあるということなのでしょう。

結婚式には、明るく華やかな鐘が鳴り、お葬式には重く鳴り響く音の旋律が用意されているとのこと。結婚式の時だけは、ベル・リンガーの人々もお祝いの報酬に預かるそうですが、あとは、年中無償のボランティアとのこと。

教会にも階級があり、セント・メアリ寺院は、シドニーでは一番階級が高い教会であり、そこでベルを鳴らすことは、ベル・リンガーにとっても名誉なことのようです。

 今日のアレンジをしてくださったMark Bennie(マーク・ベニー)さんは、よその2つの教会で毎日曜日の朝の9時と10時に。そして、火曜日の夜はまた別のところで練習。それを10年続けてみえるということです。

これこそ、コミットメントです。そこには高い精神性がなければ、続けられないことです。だからこそ、仲間を掛け値なしで尊重することができるのでしょう。彼のような人々が各教会に見えるから、教会は、毎週鐘を鳴らすことができるわけです。

これから耳にする教会の鐘は、まったく違ったものに聞こえてきそうです。MarkさんとCathyさんに感謝です。

 

 

 

 

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