HSC
投稿日:2012年10月15日
今日からHSC。
HSC-Higher School Certificate、日本語では、統一高等教育修了試験。延々、1ヶ月にわかって実施されます。同じ試験が、ビクトリア州では、VCE (Victorian Certificate of Education) という名前になります。
11年生と12年生が1組で、2年かけてコースを履修し、試験は、その最後のまとめです。授業への出席と参画、課題の完成、学期ごとの考査の受験、そして、HSCの試験、が総合で2年間の学習の軸となっているものです。HSCの結果が、どの大学のどの学部に入れるかを決定します。
言ってみれば、学校で大学受験をしている、それも、1ヶ月にもわたって、ということです。
NSW州では、今年は試験科目が93教科あります。1つの学校でこれだけの教科を提供しているということではなく、それぞれの学校がある地域での需要、必要性を鑑みて、それぞれの学校の規模や施設で提供する科目が決められます。希望が殺到すればクラスの数が増えることもあり、提供しても数人しかいなければクローズになることもあります。
学校教育のシステムに、相当な柔軟性があるということなのでしょう。
93教科のうち、35は、フランス語とかラテン語という「言語」の教科です。日本語もあります。日本では、高校生では私立であっても、通常履修できる外国語は英語だけです。これだけたくさんの言語が履修できるのは、オーストラリアが移民の国だからです。
たとえば、フランス語をとってみると、この中はさらに4つのレベルに分かれています。初級フランス語(フランス語を母国語としない生徒たちのためのフランス語)、上級フランス語(初級からさらに進んだレベル)、フランス語を育った環境の中で聞いていたことがある生徒のためのレベル、そして、Heritageというレベル。
Heritageというのは、遺産という意味ですが、片親がその言語を母国語とする子どもに適した学習を提供するというコースです。
まあ、この国ならではというところでしょうか。ともかく、この教科の多いことには、毎年ただただ驚くばかりです。
これだけたくさんある教科の中で、必須は、ただひとつ。Englishです。日本人の生徒は、ESLを受験します。そして、最低5教科、合計12単位を修得しなければならないというのが決まりです。
国が替われば、教育システムもここまで違うのです。その産物としての文化が違うのも当然といえば当然ですね。