70年の謎が解けた

投稿日:2012年12月1日

感慨深いニュースが入ってきました。

先日、「カウラの風」「和解の海」の著者土屋康夫氏のこと、シドニー湾の潜水艦のこと、マーガレットさんという潜水艦を目撃された女性のこと、そのご家族のこと、PNG(パプアニューギニア)から行方不明になられたお義父様のこと、「モンテビデオ丸」という日本軍の軍用船がアメリカの魚雷で沈没したこと、もしかしたら、その船にお義父様が乗っていらしたのではないか、というようなことをお話しました。

日本に帰国直後、土屋氏から豪政府が、今年7月にこの沈没の記念碑をキャンベラの戦争記念館に建造した際に、乗船者の名簿をインターネットで公開していることがわかったというご連絡をいただきました。それを、マーガレットさんとお嬢さんのトーリさんにお伝えしたところ、名簿にお名前があったとのこと。

戦争でご家族の方を無くされたご遺族の方々は、国がどこであろうと、どんな文化であろうと、それぞれの国ために命を捧げられた方に感謝し、ご慰霊する気持ちはまったく同じでしょう。でも、日本にも、そして、他の国々も、出兵された方が、どこでどのように最後の瞬間を閉じられたのかわからないケースがたくさんあります。ご遺族は、偲ぶものが何も残されていない、そめてその地の土だけでも欲しいのだ、と言われる方にお会いしたことがあります。

カウラで命を落とされた兵隊さんの多くは、偽名でした。「捕虜」としての汚名を残さないという戦陣訓の教えを忠実に守られてのことだったのですが、日本で待っていらっしたご家族の多くは、ずっと「行方不明」を余儀なくされているのでしょう。

マーガレットさんとご家族が70年に渡って探し求めたことが、ようやく判明しました。結果がどういうものであれ、ひとつの大きな心の旅の終焉を迎えることができたことは、さぞかし感慨深いことでしょう。

偶然が重なったあの日が、ある家族の70年の謎に終止符を打つことになったことは、やはり、潜水艦に乗っていらした兵隊さんたちのお導きであったとしか言いようがありません。

 

 

 

 

 

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