Queen’s Birthday

投稿日:2013年6月10日

今日は、英国王室女王の誕生日ということで、オーストラリアは祝日です。

生徒たちは、3日間の週末を得て、初冬だというのにポカポカと温かいお天気の中、Australian lifeを満喫していることでしょう。

エリザベス2世の誕生日は4月21日なので、実際には誕生日ではないのですが、イギリス連邦諸国では、その国の事情に合わせて選んだ日に祝うのが通例のようです。オーストラリアの中でも、西オーストラリアは9月に祝うということ。

遠いところに住むこの国の元首の誕生日であれば、一般国民にとっては、それが何月でも、休日にさえなれば多いに結構というくらいのものなのかもしれません。

 この日に合わせて、オーストラリアで活躍する人々に、the Order of Australiaという名誉賞が与えられます。今年選ばれた一人に、ギャビ・ホローズという女性がいます。

彼女は、フレッド・ホローズ財団の会長で、自身は、眼科医です。ニュージーランドで生まれ、眼科医として活躍したフレッド・ホローズと結婚し、彼が亡くなる1993年まで、結膜炎や白内障などの病気で本来盲目にならなくてもいいはずのアボリジナルの人々を助ける運動を進めました。二人で、数年間、村や町をまわって、人々の手術や手当て、衛生管理の指導にあたりました。

二人の運動は、オーストラリアだけでに留まらず、その後、アフリカなど発展途上国にも広がり、手術ができる医師の育成にもあたりました。

ご主人がなくなった後も、ギャビさんは、ずっと活動を続け、盲目にならなくて済んだという人の数は、百万を超えるということです。その支援は、みな、一般市民の寄付でなりたっています。オーストラリアはチャリティ活動が多く、様々な目的のために寄付を求められます。良い内容のものがたくさんあります。以前、オーストラリアの人々が数人集まったところで、チャリティの話が出て、どこに一番協力したいか、それはなぜ、という話が出ました。

そのNo. 1になったのが、このフレッド・ホローズ財団でした。

目的が非常にはっきりしていること。そして、その目的がすばらしいものであること。自分が支援するお金がどこに使われるか明確であること。

というのが、その理由でした。私の友達には、寄付はここしかしない、でも、毎月最初の日、自分が欲しいものを買い控え、食糧も含めて買いたいと思ったものと同じ額を箱に入れ、1年に一度そこに貯まった額を寄付するのだという人がいます。年によっては、数千ドル(数十万円)に上ることがあると言います。それだけまとまったら、寄付をせずに別の物を買うという誘惑にかられることはないのかと尋ねたところ、「迷うことが無いといったら嘘になる。でも、もともと、買いたいものを買わずに貯めたお金なのだから、自分が欲しいものを買ってしまったら、本来の目的がなくなってしまう。そんなみっともないことは自分にできない」という答えが戻ってきました。

ふううん、と感心した次第ですが、彼女は、この受賞を心から喜んでいることでしょう。

そこで思い出すのが1週間前に、こちらのABC国営放送で報道されたニュースです。

 http://m.abc.net.au/news/article/id/149502/c/44/p/Japan+admits+%241bn+in+tsunami+recovery+funds+spent+on+projects+like+turtle+observation

 日本の津波の被災者のために集められた寄付金のうち$1billion(10億円x100)をまったく違う目的にために使ってしまったという日本政府の失態。各県に配布され、県の采配で使途が決められたようですが、中には、チーズやワインのプロモーションに使われたものもあるということ。

これをどう解釈したらいいのでしょう?

 

 

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