Sushi Train

投稿日:2013年7月21日

Sushi Trainというのは、回転寿しのことです。

ここ、5年ほどの間に、次から次へと、シドニーのいろいろなところで回転寿しが開業されてきています。海苔巻き寿しの1本を半分の大きさに切って売っている小さな店は、もっとすごい勢いで広まり、シドニーのどのショッピングセンターに行ってもあります。駅の売店などでも売っています。

DHSの学校の売店でも、1週間に一度売られ、あっという間に売り切れてしまうようです。

この寿しブーム、アメリカではもう20年ももっとも前から始まっていましたが、オーストラリアでは、10年前あたりから少しずつ出始め、ブームになってのは、ここ5年くらいのことです。

以前は、ICETの生徒たちがホストや、何かの行事でゲストたちに海苔巻きと作っても、海苔がいやだと食べたがらない人もいたのですが、今は、まったく違います。巻き方を覚えたい人たちがたくさんいます。

通常のスーパーマーケットに行けば、そこには、Asian Cornerがあり、海苔巻き用の道具と材料一式が簡単に手に入ります。

今日は、たまたま3歳と4歳の子どもたちが、お父さんと巻き寿しを食べているところを目撃し、また、別のところで、同じくその年齢の子どもたちが、おいしそうに海苔巻きを頬張っているのを見て、微笑ましい限りでした。

新しいジェネレーションの子どもたちは、シドニーにいて、世界のどんな国のお料理でも拘りなく口にし、特に、海苔巻きは、もう、マックのハンバーガーと同様に、日常食となっています。そして、「日本食は健康」というイメージを皆が持っていますので、これから、ますます盛んになっていくことでしょう。

ご飯をこんなふうに食べるようになってきたのも、もちろん、寿しブームに乗ってです。NSW州の南のほうでは、とてもおいしい日本米が栽培されるようになってきています。

2004年に、NHKのスペシャルとして「63億人の地図」という特別番組が報道されました。CAPDの授業でいろいろな社会問題を取り扱っていることを知ったある保護者の方が、その特集全部を録画して、ぜひ、子どもたちに、と送ってくださいました。この特集は、世界のいろいろなデータを下に、慶應義塾大学の学生とNHKのコラボでデータをコンピューターに打ち込み、世界で何が起こっているかをまとめたものだということですが、その後、9年間、それらのビデオは、すばらしい教材として活きています。

2004年ですので、10年も前と思われるかもしれませんが、実は、その後の世界を予測できるようなデータがたくさん組み込まれています。そして、この9年間、いろいろなことが現実としてさらに深刻な問題となってきています。

その時に、特に、衝撃的だったのは、日本人が、世界の漁獲量の10%を消費しているということでした。モロッコのとても良い収益源だったタコ産業が壊滅状態になってしまったことや、日本だけでなく、ヨーロッパのトロール船によるアフリカ沿岸の漁のために、魚がどんどんと北の海からいなくなり、漁場が南に、南に、と下がっていく様子、セネガルなども生活がそれほど豊かでなくても魚をたっぷりと食べることができていた人々の手に、魚は届かないものになっていく、といった内容は、海の魚に対する意識を根本から覆すものとなりました。

タイトルは、「海から魚が消えていく」というものです。機会がおありでしたら、どうぞ、ぜひ、一度、ご覧になってください。秋田のハタハタのようなすばらしい取り組みもそこには出てきます。

でも、こうした空前の寿しブームが世界に広がっていくのを見ると、さんざん、食べてきた自分たちのことは棚にあげて、本気で、これからどうなるのだろう、と考えてしまいます。

明日から、月曜日のCAPDの時間には、「63億人の地図」に基づく、世界の勉強の時間が始まります。生徒たちがどのように反応するか、楽しみです。

 

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