自然の猛威
投稿日:2013年10月22日
私たちは、自然に囲まれて住んでいます。
感動をたくさん運んでくる美しい自然。そして、ありとあらゆるものを破壊する自然。
そのギャップが大きすぎて、感情でも理屈でも、到底受け止められないことばかりです。
世界中で起こる洪水、頻繁に起こるサイクローンや竜巻、地震、津波、火事、どれほどの自然災害が起こっていることか。
人口が多いところや、人間が築き上げた物が大きければ大きいほど、被害も甚大になっていきます。人的被害も物的被害も、あまりにも大きく、理解がついていきません。
先週の日本での台風、特に多くの方々が亡くなられ、家を失ってしまわれた伊豆大島での被害、これから続く台風27号、28号による被害の懸念。
2日間の間に200軒もの家が焼失してしまったNSW州での山火事。死者が一人もなかったことは、奇跡であり、不幸中の幸いです。
火事は幾箇所でもあったのですが、一番大きかったのは、The Blue Mountainsと呼ばれるところです。先日、生徒たちがCowraに行くために、通ったところです。広大な森林地帯で、一時は、火の手が300キロ(数字の間違いではありません)にも長く広がり、何千人ものボランティアの消防士さんたちが日夜を徹して消火作業にあたり、今も、なお、幾箇所か燃えているところで懸命の活動を行っています。
火事を止めるために、あえて森を燃やし、それ以上に広がらせないという方法があり、そのために故意に燃やしている箇所もあるようです。
オーストラリアの森林は、ユーカリが多く、樹皮や葉っぱに油が多く含まれるために、木は、あっという間に炎に包まれてしまいます。アメリカの西海岸がよく火事になりますが、あそこもユーカリが多いからです。
日中の気温が30度以上に上がり、空気が乾燥していると、カラスの破片が太陽光線に反射するだけで発火してしまうこともあります。タバコの吸殻は、火事に直結です。ピクニックなどBBQで火を使うことも、暑い日には禁止となります。
今回の最初の原因は、軍隊の訓練が行われていてそこでの発砲が木に引火したことが原因と報道され始めています。連邦政府も州政府も即日手当てを支給し始め、避難場所、衣食など、すぐに必要なものは猛スピードで提供することを約束しています。保険も即時発動されるよう保険会社も人々にラジオなどで頻繁に呼びかけています。
この1週間で5人もの十代始めの子どもの逮捕がありました。火を付けた容疑です。それぞれが大きな火事に結びついてはいないようなのですが、そういう見境のつかない子どもたちがいることが驚きであると同時に、「自分の子どもが何をしているか、しっかりと見張っているべきだろう!」と、親に対する警告が消防団長から出されていました。
シドニー市内や、生徒たちが住んでいる地域は、幸いにも普段とまったく変わらない安全な状態にあるのですが、山の手から海の方に流れてくる煙で、空がかすむ日もあれば、雲が微妙な色を帯びたり、山側に沈む夕日が真っ赤に普段の数倍も大きく見えることもあります。
日本でご心配されてみえる方々もおありでしょう。子どもたちの生活はまったく通常通りです。
自然の中で生活させてもらっています。