Welcome to ICET 2014
投稿日:2014年1月15日
2014年のプログラムの幕があがります。
皆様、ようこそ、この会場にお越しくださいました。これから、大きな夢を持った若者たちが徐々に舞台に登場してきます。このお芝居の特性は、登場人物が全員主役を演じ、しかも、シナリオが無いということです。
舞台の上は、まだ、ひっそりしています。登場人物のほとんどが、まだ会場に到着していないからです。2名は、何週間もこの日を待ち続け、今日また別の2名が22時間の長旅にもかかわらず、爽やかさがこぼれ出る笑顔を携えてやってきました。明日また1名到着します。そして、残り29名は、海の向こうで想像と夢を南の空に放ちながら、1年間どんな芝居を演じようかと考えているところでしょう。
21日に、全員が舞台に乗ります。
これから、一体、どんな役者が登場し、どんな筋書きの舞台が始まるのだろうかと、観客席のどよめきが次第に大きくなってきています。
一人一人の役者が、自分の演じたい役を演じるので、その混じり具合は、演じる若者だけにしかわかりません。最初は、点と点が結ばれず、チグハグな動きがあるかもしれません。でも、徐々に、点と点が線となり、たくさんの線がユニークな模様を描くようになり、ダイナミックなエネルギーを発し、最後には、大河が流れるようにひとつの壮大な物語を作り上げていきます。
しかも、その一人一人が、さらに現地のいろいろな人と混じり、大きな輪をたくさん広げていきます。
その物語は、その年だけの特別なもので、それが二度と繰り返されることはありません。なぜなら、役者が毎年代わるからです。
このプログラムに参加する若者たちが創り出すユニークな1年のストーリーが、そのままICETでの留学体験となります。2014年はどんな展開になるのでしょう。。。
観客席と舞台裏、そして舞台の横に控えているのは、保護者の皆様、すでに一度その舞台で演じたことがある卒業生の皆様、卒業生の保護者の皆様、日本の学校の先生方、ホストファミリー、こちらの学校の先生たちや生徒たち、そして、ICETのスタッフです。
どうぞ、たくさんの声援と拍手を送ってください。皆様からの熱い応援は、役者たちの心を盛り立て、そして、時に挫けそうになる気持ちになにくそ負けるものかと再び火を点けるものとなります。
さて、2014年が明けてすでに半月となります。
1年の計は元旦にあり、と言いますが、皆様も、きっと今年の誓いを立てられたことでしょう。今日は、留学を念頭に置き、誓いの立て方についてお話します。
立てた誓いが上手に続くか、それとも、三日坊主で終わるか。
誓いが続かない失敗の典型は、喫煙とダイエットです。
今年は絶対タバコを止める、今年はダイエットを励行する、と決断したものの、一度誓いを破り、それが二度になり、三度になると、あとは、もう無し崩れ。ああ、またダメだったかと、自分の意思の弱さを嘆くことになります。何かの折に再び誓い、そして、失敗を繰り返します。
これは、もともと不可能なことを目標として設定しているからです。頭は、人間を騙すことが得意ですが、身体はとても正直です。ニコチン漬けになってしまっている身体は、当然のことながら、ニコチンの継続を要求します。適宜な量のいろいろな栄養分を必要とする身体は、ダイエットで不自然なことを強いられれば、悲鳴をあげ、もっとちゃんとした食べ物を頂戴と要求してきます。
結局は、身体の要求のほうが意志が命ずるところよりも強いことが証明されるだけのことです。
ダイエットの理由は、より細くより美しくありたいという願望が大きくあるかもしれませんが、いくら表だけを整えても、体力は無い、思考は朦朧、身体の中はボロボロとなれば、そんな励行は自分を傷つけるだけです。喫煙もダイエットも突き詰めれば、健康でありたいということです。それなら、誓いは、「健康な生活をするよう心がける」と置き換えられます。
その大きな傘の下で、健康な生活をするためには、自分の生活の中の何をどのように変えていけばいいのかを考えます。自分の生活全体のQUALITYの問題です。睡眠や仕事や学習や習い事など1日の生活のリズム、食べる・飲む・吸うという行為を通して身体の中に自分が入れるものの質と量、適宜な運動量など総合的なQUALITY全体を高めていくことを考えることを大きな目的とした誓いであれば、たまに、ひとつの行為で欠落があっても、それを自分の意志の弱さだと責める必要はありません。日々、健康と感じることを増やし、そこに満足と喜びを見出していけば、必ず改善が見られるようになります。
留学の1年もこれと同じことです。
Q1 何のために留学をしますか。
Q2 どんなことを達成したいですか。
Q3 目的や達成したいことを成就するために、あなたはどのように自分の生活を整えていきますか。
この3つの質問への答えが、留学生活のQUALITYを決定するものとなります。QUALITYが、最終の成果に直結します。
しっかりとした目的がある留学は、手ごたえのある内容となり、努力の継続ができ、結果も良いものに結びつきます。目的も目標もない留学は、中途半端で不発に終わります。
人間の行為・行動のすべてに、動機と目的があります。
留学は大きな事業です。人生の中において何度もできることではありません。そんなすばらしいチャンスを自分で望み、与えられたのであれば、当然そこには大きな目的があるはずです。
その目的を果たすために、幕のあがった舞台で、思い切り自分の人生を演じてください。それが真剣で熱心なものであれば、最後に生まれ出てくるストーリーは登場者全員がすばらしい達成感と充実感に満たされて終われるものであり、観客は大きな感動に包まれるものとなります。