またひとつ越えた壁
投稿日:2014年2月7日
今日は、Music漬けの日となりました。
生徒たちの生活はとても忙しいので、毎日学校のどこかでそれぞれの生徒ががんばっている姿があるのでしょうが、私の身はひとつしか無いので、行けるところが限られ、報告されてくる情報も限られるために、このブログでご報告できることが限られてしまうことは残念ですが、いたし方ありません。
今日は、音楽の選択授業を2時間と放課後のボーカル・アンサンブルの最初の集まりを見させてもらいました。
こちらの音楽の授業は、演奏することを主に、作曲をしたり、過去の音楽家のリサーチをしたりします。
1年は4学期に分かれていますが、各学期ごとにみんなの前で演奏することが要求されています。6月には、SOPAというPerforming Arts(音楽、ドラマ、ダンス)の祭典があり、他にも、保護者を招いて、生徒たちのミニ・コンサートが行われます。
今年は、音楽を選択した生徒の数が多く、10年生の音楽の授業はフルハウスとなりました。DHSの生徒が15名、ICETの生徒が10名。
2週間目の今日のレッスンは、それぞれが楽器またはボーカルでみんなの前で演奏するという課題が出ていたようです。緊張のあまりお腹が痛くなるような場面もあったのですが、まあ、無理もないことです。
DHSの生徒たちでも、“It was scary.”(怖かった)と、そのドキドキぶりをみんなに伝えているのですから、ICETの生徒たちが、みんなの前で、歌ったり、演奏したりするのをビビっても当たり前。でも、順番は、確実に来ます。
ICETの生徒誰か?と先生から声がかかっても、なかなか誰も手をあげることができません。DHSの生徒たちが、一生懸命応援し始めました。「大丈夫、大丈夫」「やってしまえばなんともないよ」「早くやってしまったほうが、気持ちが楽になるよ」といった言葉を掛け、すでにお友達になっているのでしょう、フユウさんに最初の白羽の矢が向けられました。
思い切って立ち上がった彼女に、DHSの生徒たちは大喜び。iPhoneから流れてきたのは「卒業」という歌。ドキドキする胸に時々手をあてながら、澄んだ声で歌い、みんなからその勇気を称えられていました。
DHSの生徒とICETの生徒が交替で演奏。ナミさんの”Island”とショウタロウ君の振り付けのついた「明日があるさ」に、みんなノリノリ。カリンさんとホノカさんは、「ノクターン」と「ソナタ6番」のピアノ演奏。アヤカさんは、アカペラで”Take about” 、きれいな英語でした。コウダイ君がかけた曲には、出だしの音だけでDHSの生徒たちが素早く反応。それが、ジャスティン・ビーバーという超人気者の歌”Boyfriend”だったからです。ユカさんのクラリネットは“ベルギス”、ハルカさんは、イタリア語で「ラシャピオキアンガ」という歌。最後の最後になったシオリさんは、みんなの意表を突いて、“Chopstikcs”を。
DHSの生徒たちは、ボーカルあり、ピアノあり、ギター、ドラム、バイオリン、サックスなどいろいろありました。
先生は、「ともかくやってみるということが大事で、技術は二の次、これから磨いていけばいい」とのこと。
ナミさんは、早速とジャズ・バンドに誘いが。クラリネットのユカさんは、ミュージック・バンドに。楽器演奏に関心を持ったショウタロウ君は、サックスを学校から借り、これから毎週レッスンを受けると意気込んでいます。
DHSの生徒たちの声援は、ICETの生徒たちが、できるだけやってみようと思う気持ちになるとても温かないいものでした。みんな、きっと勇気付けられたことでしょう。
やってみれば何でもないことが、やる前には、気持ちだけが焦り、不安が募り、心臓がドキドキし、なかなか大変なのですよね。でも、やり遂げました、また、一歩前に出るということを。
こうして、ひとつひとつこなす度に、次のことにチャレンジする勇気を得て、そして、自信を付けていくのですね。
放課後は、ボーカル・アンサンブル。これは、SOPAに向けて、毎週練習を続けていきます。放課後に残るのは、こちらの学校では珍しいのですが、先生は、「参加したいのであれば、金曜日の午後にしたいことを犠牲にしないとここには来れない」と授業の時とは違う厳しさを示していました。
SOPAには、ニューヨークの下町で賃貸アパートで暮らす人々の少しラフな生活を描いたミュージカル“Rent”の中から、”Seasons of Love”とフィナーレを、そして、他の数曲を加えたメドレーを披露するとのこと。
今日は、早速と、Eric Claptonの”Tears in Heaven”の楽譜を渡され、最初の練習に入りました。アケミさん、アヤカさん、ユズさん、カヨさんが大勢のDHS生の中に混じっています。
SOPAには、ドラマの授業を選択している生徒たちも作品を披露します。日本から携えてきてもらった剣舞もここで披露されます。ダンスの授業を選択している生徒たちも公演します。ダンスは、来週にダンス・アンサンブルのオーディションがあります。小さな頃からバレリーナとして練習を積んできている人たちは、このオーディションの来るのを待ち焦がれていることでしょう。
DHSは、広いNSW州の中で、アカデミックでも、また、Performing Artsでも名を馳せている学校で、先生がたの力も入っています。ダンス、ドラマ、音楽、どの部門においてもICETの生徒たちが歓迎され、大事にされていることは、本当にありがたいことです。
生徒の皆さん、思い切り、活動し、活躍してくださいね。