旅行の勉強会
投稿日:2014年4月21日
今日は、旅行に備えての勉強会。
1週間余ぶりに学校で会った生徒たち。みな、元気そうでした。
中に数人、風邪を引いたのか、ティシューを頻繁に使っていましが、出発までにあと2日。絶好の体調で臨めるといいですね。
キャンベラに行くのには、いろいろな意味があります。
* オーストラリアの首都であり、政治および外交を司るところであり、極めて重要な場所であること。
* ブラジルのブラジリアと並び世界にふたつしか無い人口都市であり、極めて美しい所であること。
* 日本とオーストラリアとの歴史を学ぶには、絶好の場所であること。
ちょうど、ANZACの時期であり、日本の留学生にとっては、日豪の歴史を学ぶ最高の機会です。日豪関係は今でこそ、極めて友好な関係にありますが、ここに至るまでには、先人達の戦後の凄まじい努力があって始めて成ったものです。
武器で抑制した均衡を保つような関係ではなく、また、安保条約を担保にされているような関係でもなく、純粋な交易と友情の上に成り立つ真に平和な日豪関係は、決して、たまたまできたものではなく、多くの人々の無限に大きな愛によって作り上げられたものであることを理解することによって、留学生としての心得も、心持ちも大きく変わる事でしょう。
オーストラリアの人々に大事にされ、幸せな気持ちで勉学に勤しめる環境にあることが如何に大きなことであるかを自然に感謝するようになります。
今日の前半は、”The Railroad of Love” 「愛の鉄道」というドキュメンタリーを見ました。
日本では、奈良市鶴舞東町1-79-101 鶴舞保育所内 Tel/Fax 0742-45-7861で得られるようです。
文部省選定ビデオということですが、ぜひとも、このフィルムをご覧になられることをお奨めします。
ジュネーブ条約に加盟していなかった日本、そして、戦陣訓の教えから戦争捕虜になることを潔しとしなかったばかりでなく、捕虜になった敵国の人々の扱いを間違ってしまった日本と、戦争捕虜になった日本兵を人道的に扱ったオーストラリアとの間には、大きな隔たりがありました。
このドキュメンタリーのキャプションには、こう書いてあります。
「第二次世界大戦。「死の鉄道」と悪名高い泰緬鉄道建設で、数多くの連合軍捕虜たちが日本軍に虐待され、命を落とした。特に多くの若者たちを失ったオーストラリアでは、日本への憎悪は根深かった。その反日感情の中で「死と憎しみの鉄道」ではなく、「愛の鉄道」をオーストラリアから日本へ敷こうと立ち上がった人がいた...。
自身が日本軍の捕虜となり、飢餓と怪我と病気で苦しむ仲間たちを守ろうとして日本兵に切られ、解放後は、うつの状態に陥り、「神」の存在を疑うまでに至ったライオネル マーツデン神父。そんな彼がしたことは、オーストラリアからたくさんの物資を船で送り、爆撃や原爆の惨状にある日本人を救うことでした。
そのマーツデン神父の志を受け継いだトニー グリン神父。
そして、捕虜の身でありながら、仲間を助け、士気を高め、戦後には、「苦しみは、敵も見方もみな同じ。日本人を責めてはいけない。当時の教育故のことだったのだから」と、日豪の関係の復活に努めた医師ダンロップ。
苦しみと憎しみを赦しと愛に変えた人々。
キリスト教とか仏教と、ひとつの宗教の教えを超えて、人間の愛に直接に訴えていく人々。
生徒たちが受けた印象も、そして、考えた事も、深いものだったと思います。
勉強会の続きは、また、明日に。