タウンホールでの演奏
投稿日:2014年5月20日
オペラハウスができてからは、すっかりとお株を奪われてしまったようなタウンホール。
ここは、かつて、シドニーでの演奏会、政治集会、国際会議など、様々なことが行われたシドニー市の最も顕著な、そして、この都市の歴史を司ってきた場所です。
1889年に建国(白人による入植から数えて)100年を記念して創設された建物です。
そこで、昨夜19日、NSW州の各地から集まった900人の高校生の音楽祭が開催されました。
DHSからは合計25名ほど。そのうち8人がICET生。他にも希望があったのですが、練習などの関係上、音楽を教科として選択している生徒のみになったということ。
建物の建築様式は、イギリスのルネッサンス様式と呼ばれるものということ。シドニーでは珍しく、中に入ればヨーロッパにいる感じがします。
ここのパイプオルガンは、当時、南半球で最も大きくてすばらしいと言われたものだそうですが、オペラハウスのオルガンの音よりも、よほど重層で荘厳な音に響くように私には感じられます。今回の演奏には、このオルガンは使われませんでした。
このオルガンを正面に、観客席が下に。演奏する生徒たちは、上段の四方に、観客を囲むような形で並んでいました。
最初に歌ったのは、NSW州中高生シンフォニーオーケストラの伴奏で、ヘンデルの「司祭ザドク」。
NSW州のオーケストラアンサンブルは、高校生とは思えないような演奏。特に、ベトナム戦争後にDavid Gillinghamによって作曲された”Heros Lost and Fallen”とブラームスのシンフォニー4番の演奏は圧巻でした。
これもNSW州のアンサンブルというジャズバンドの演奏も見事でした。いずれのアンサンブルも、アメリカで行われる国際コンサートに参加するということ。
演奏会のもうひとつの目玉は、世界に名を馳せているアカペラグループ、The Idea of Northでした。
ICETの生徒たちは、他の900人の生徒たちと一緒に、このThe Idea of Northと、Ben van Tienanの”Find my Way”とStevie Wonderの “Never Dreamed You’d Leave in Summer” と”Isn’t She Lovely”を共演。
The Idea of Northは、日本でも公演しているということですので、ご存知の方もおありでしょう。「オペラ座の怪人」の “Music of the Night”のメロディにヒッチコックの「サイコー」のシャワーでの殺人シーンを盛り込んだパロディは、その歌のうまさだけでなく、最高の笑いを誘い出すものでした。
すばらしい体験でしたね。