二言語の効果

投稿日:2014年6月21日

「外国語が話せると脳にいい7つの証拠」

こんなタイトルの記事がありました。

http://www.huffingtonpost.jp/2014/06/18/bilingual-brain-benefits_n_5510119.html?utm_hp_ref=mostpopular

子供は、言語が2つあっても、3つあっても、覚える環境があれば身につけていきます。むしろ、二言語を話す人たちは、一言語だけで育った人よりも高い知的活動を示すという研究を最近ではよく耳にするようになってきました。

2年ほど前になりますが、 The New York Timesに、いろいろな研究結果をもとに二言語を話すことのメリットが揚げられていました。

http://www.justkids.it/doc/Bilinguals_Are_Smarter_New_York_Times.pdf

「第二言語の学習は、認知能力に影響し、子どもの学術的・知的能力の発達を妨げるという20世紀の研究者・教育者・政策決定者たちの解釈とは大きく違って、グルーバル社会においてより多くの人々との交流を可能にする実際的なメリットに加え、二言語を頻繁に切り替えすることが頭脳の活動を強め環境や物をより素早く認知する能力を高めるだけでなく、高齢者の認知能力低下を防止することにも役立つ」と述べています。

二言語以上を話すことが脳にどういう影響をもたらすかという記事など、メリットについては、たくさんの研究がなされています。

http://www.psychologytoday.com/blog/radical-teaching/201211/bilingual-brains-smarter-faster

ヨーロッパには、2、3カ国語どころか5ヵ国も6カ国語も流暢に話す人がたくさんいます。ヨーロッパの地形や歴史を見れば当然納得がいきます。オーストラリアにも、2カ国語、3カ国語を話す人がたくさんいます。オーストラリアは移民の国なので、英語環境のみで育った人以外は、みんな英語の他に自分の母国語を持っています。

父親と母親の母国語が違うので、両方の言語を生活の中で自然に覚え、英語を含めて3カ国語を話すようになった人も結構たくさんいる一方、そういう環境に恵まれても、子供が英語しか話せないという場合も多いことを考えると、話せるようになったのは、「自然」とはいっていても、実際には、生活の中に異なった言語が存在する環境を親が意識的に作っているものと思われます。いずれにせよ、生まれた直後から、その言語環境に接する時間が長ければ長いほど、自然体でその言語が学習できるということは明らかであり、生まれたすぐあとから違う言語が同時に存在することが、子供の言語の発達を阻害するものではないことも明らかです。

こういう研究結果を知ると、日本で、英語を習わせるのは、小学校では早すぎるとか、日本語が確立するまではダメだという議論を飛ばしていること自体がナンセンスに見えませんか。

最近でこそ、小学校に英語教育が導入されたり、英語学習を始める年齢が下がってきていますが、大方の日本人は、13歳になってから英語教育を受け始めるというのが数年前までの学校教育でした。英語を母国語とする外国人と接する機会が家庭にあるとか、海外で生活したとか、親が幼児期からの英語学習を奨励したとか、インターナショナルスクールに通っているというケースのほうが稀でした。

13歳と言えば、思考する言語として日本語がある程度でき上がってしまっています。その時点で英語学習を始めるということは、英語を言語としてそのまま受け入れるのではなく、英語を日本語に置き換え、日本語で英語を学ぶことは避けがたい過程となってしまいます。それを利用しているのが、日本における英語教育です。

この方法だったら、うまくならないのが当り前です。小学校で導入しても、同じ学習過程と方法を繰り返すのであれば、結果は同じものしか出てこないことは、始める前から明白です。それ故に、日本人は英語を習得するのに、本当にムダな努力をしなければならないのです。

おもしろい現象があります。オーストラリアのハイスクールで、日本語や中国語を11年生や12年生で選択授業で習っている生徒たちは、おおかたの場合、その学校の優等生たちです。

英語が大好きで留学してきた生徒たちが、卒業後大学で第三言語を専攻する例はたくさんあります。3年間留学の生徒たちの中には、イタリア語やフランス語を留学中に選択する生徒たちもいます。

これもそうした知的活動の高まりの一環なのかもしれませんね。

ということで、皆さん、日本語以外の言語を多いに勉強してくださいね。

 

 

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