シドニー市内での1日 後半
投稿日:2014年7月26日
アートギャラリーに展示されている何枚かの絵をご紹介します。
もう何年もずっと展示されている絵もあれば、入れ替わっている絵もあります。ヨーロッパの中世から現代にかけて、また、アボリジナルの作品を含むオーストラリア国内の作品など、ひとつひとつの説明を読みながら見学したら、1日では足りません。
今のタスマニアがまだ連邦下になく、ヴァン ディーマンと呼ばれていた頃の土地を想像で描いたもの。大きな木はユーカリ。池のそばにいるのは、先住民の人々。 先住民は皆殺しになりました。夕刻の空は、その土地での悲劇を黄昏の空に例え、どことなく憂愁を漂わせるもの、という説明がありました。
当時の模様を描いた映画があるのですが、史実ではあってもあまりに残酷すぎて、勧められるものではありません。それほどに、歴史のある場面は、堪え難い事実を含むのでしょう。
これは、1850頃に金山が見つかり、オーストラリアがゴールドラッシュになった時のもの。金を運ぶ馬車が盗賊に襲撃されている場面。
時代の様子を彷彿とさせるものです。
この羊の毛刈りの絵は、オーストラリアの観光用のパンフレットによく出てくるもので、広く知られています。
上の三点は、イギリスで生まれ、オーストラリアに移住し、この地の歴史や風俗を絵にして残そうとしたトム ロバーツの作品です。
まだ、たくさんの作品があるということですが、多くは、ビクトリア州に残されているとのこと。特に、ビクトリア州には、ゴールドラッシュにまつわる話がたくさんあり、彼の絵をもっと見てみたくなりました。
シバの女王が、ソロモン王を訪問する話には、様々な絵があります。この絵は、イギリスのサー ポインターによって19世紀の終わりに描かれたものですが、美術館の中でも特別に壮大なものです。ギャラリーが誇る所蔵のひとつでしょう。変わることなく、常に、同じ場所に展示されています。
生徒たちとの会話の機会もありました。ギリシャ神話のエッチングがあり、そこで、アンドロメダや星座についての会話が起こったり、ルネッサンス以後女神など裸体の絵が多いのですが、そういう絵があることが新鮮でもあり刺激的でもあり、なぜ、許されるのか不思議だったようで、「許されるのか」という質問がありました。芸術とポルノの差がどこにあるのかについてのディスカッションをしながら、こちらではそういう話題がよく出る話もしました。
ギャラリーでの時間が予定を大幅に過ぎ、ランチタイムを飛ばしてオペラハウスに早足で移動。
オペラハウスの構造やできるまでの過程のフィルムを見て、中を見学させていただきました。ちょうど、オペラの舞台装置を作っているところに遭遇。
とてもいい1日となりました。彼らの若い感性が刺激されるものがたくさんあったことを願います。