ICET – Quality Assured by NEAS
投稿日:2014年7月28日
オーストラリアは、移民が多い国です。
2011年の統計では、4人に一人が外国生まれです。カナダは、5人に一人。
海外移住者がいろいろな技術を手に付けられるように、様々な学校やコースが設置され、オーストラリアの連邦政府は、それらの内容、質、受講者へのケア、授業料の信託管理など、様々な面で水準と法令を定め、厳しく管理が行ってきています。その水準を満たし、法に準拠している機関には、番号が発行されます。
ICETがDHSと連携で行っているプログラムの番号は、CRICOS No. 01466Bです。この番号は、1995年のICET設立以来続いています。20年間継続して水準を満たし、法に準拠しているということを意味します。
移住者に授ける技術のひとつとして言語(公用語の英語)があります。成人なら、できるだけ早く職に就けるように。就学年齢者なら、1日も早く学習ができるように。そのための英語教育は、国をあげて力を入れている政策のひとつです。
英語の略語ばかり続いて恐縮ですが、海外からの学習者に英語の集中授業を提供する学校は、総合的にELICOS (エリコス) – English Language Intensive Courses for Overseas Students と呼ばれています。
ICETは、そのELICOSの分野に属する学校ですが、現地のハイスクールと連携していることにより、極めて特異な存在となっています。
言語コースを提供するためには、NEASという機関の審査を受け、免許を交付されることが必要です。
NEASは、National ELT Accreditation Schemeの略。
ELTというのは、English Language Teachingの意味です。
免許が交付された後も、毎年、免許更新のための書類での審査があり、2年に一度は、現場における審査があります。
それほどに厳しい管理下においても事故や間違いは起こり、数年前に、特にインドを中心として、入学したら永住権が取れるというような虚偽の宣伝を行っていた技術専門学校があったり、預かった授業料を横領してしまう経営者たちがいたり、通学しているインド人が人種差別にあったり、インドとオーストラリアの国際問題に発展するほどの大きなできごととして取り扱われました。
それを受け、連邦政府は、2012年の終わりから、ASQA (Australian Skills Quality Authority)という機関を政府内に設置し、さらに厳しい制度と重箱の隅を突つくような審査と監査を励行しています。すでに淘汰された専門学校や機関は少なくないと聞いています。
http://www.asqa.gov.au/
ELICOS関係の学校も同様で、免許は、すべて連邦政府が仕切り、NEASは政府の委託を受け、ELICOS関係の学校のクオリティを審査する機関となりました。
ICETに留学してくる生徒たちは、現地のハイスクールの環境の中で、その施設をフルに活用させてもらい、行事に参加し、英語を強化する授業と現地の選択教科を履修し、オーストラリアの通常のハイスクールライフを楽しみます。
そのユニークさ故に、そして、2013年の審査の結果として高校生を対象とする教育プログラムでは、「全国の模範となるプログラム」と評価され、NEASの全国研修大会でプログラムの内容を紹介するよう依頼された経緯があってのことでしょうが、NEASからQuality Assuranceの一番手の対象として白羽の矢が飛んできました。
Quality Assuranceというのは、クオリティの高さを確約できる、という意味です。
7月23日に6時間にわたる現場での審査が行われました。次のような目的での審査です。
以下は、NEASのウエッブサイトからの抜粋です。
http://www.neas.org.au/endorsement/
The purpose of the NEAS QA Framework is to(NEASのQAの枠組みの目的):
- Establish and uphold high standards within the ELT industry (ELT業界における高い水準の設置と維持)
- Support ELT Centres in demonstrating quality in their programs and services (プログラムの内容と提供するサービスの中にクオリティを示す事ができるよう各ELTセンターを支援する)
- Provide guidance to ELT Centres in their continuous improvement processes (各ELTが改善し続けられるようガイダンスを提供する)
- Promote recognition of quality ELT Centres (クオリティのあるELTセンターと認定されたところを推奨する)
The NEAS QA Framework comprises five Quality Areas (5つの分野でのクオリティの確約)
A. Teaching, Learning and Assessment (教授、学習、考査)
B. The Student Experience (生徒の体験)
C. Resources and Facilities (教材と施設)
D. Administration, Management and Staffing (管理、マネージメント、人材活用)
E. Promotion and Student Recruitment (プロモーションとリクルートの方法)
以上の5つの分野にわたり、たくさんの質問が投げられ、たくさんの資料や物をお見せし、学校内を巡り、生徒たちや先生たちとのインタビューがあり、と忙しい1日でした。
最後に次のようなコメントをいただきました。
「今日、1日、とても楽しませてもらいました。すばらしい生徒たち、すばらしい先生たちに出会い、とてもハッピーなところであることを実感しました」
「現地のハイスクールと連携しているので、施設だけでなく、行事や課外活動、ボランティア活動など生徒たちが従事できることが本当にたくさんにあって、学習環境に恵まれていることが強く印象付けられました」
「いろいろな学校を訪問する際、先生たちは、教えることについて話をします。ICETのように、先生たちが、学ぶことの楽しさと大切さを話す場面に遭遇するのは初めてであり、とても新鮮な驚きを覚えました」
「(アドバイスを与える側の)私たちが、たくさんのことを学ばせてもらいました」
ICETのひとつの特徴は、みんなが学び、みんなが成長する、というものです。学ぶのは生徒だけではなく、先生たちも、ホストファミリーも、日本の親御さんがたも、みな日々学び、日々成長することで、よりよい関係、より良いコミュニティーを築き、みんなが幸せに感じられるよう相互支援することがモットーのひとつです。
内容の充実度を高く評価されたこと、そして、業界の専門家たちによって、その「学びの精神」が生きていることが証明されたことは、とても嬉しいことです。
そして、7月25日、ICETは、NEASのQuality Assuranceを得た学校として登録されました。
http://www.neas.org.au/studentsagents/centre-locator/?country&state&name_search=ICET%20-%20Davidson
NEASの登録は、世界の3500を超えるエージェントに送られるというのですが、エージェントを通す事がないICETは、その恩恵を受けられないのが残念ですね(笑)
20年前、現地の学校との連携という構想をNEASに持っていった時には、「理想的だけれど、実際にはそんなことは不可能」というのが最初の反応でした。「なぜなら、誰もしたことがないから」。「でも、やってみようか」で出発したプログラム。
石の上にも3年ではなく、20年。名実ともにNo. 1になったと言っていいのでしょう。
過去の卒業生、現行の生徒たち、保護者の皆様がた、多くの先生方、これまでICETに関わってくださったすべての方々の誠意とご尽力の賜物です。心から御礼申し上げます。そして、ICETがますます良いものになり、関わる方々すべてに誇りに思っていただけるよう、みんなで一緒に学びを深めていきましょう。