捕鯨

投稿日:2011年2月20日

 世界は、大きく動いています。

 エジプトからアラブ諸国に飛び火している民主化運動、軍隊による現政権からの弾圧、同じ動きが起ることをけん制している中国、必死に反応すればするほど矛盾を露呈するアメリカ。世界は、これからどのように動いていくのでしょう。わずかな日々の間に、世界は、確実に大きな変化を見せています。

 その中で、オーストラリアでここ数日取り上げられている大きなニュースは、南氷洋における日本の捕鯨のことについてです。「シーズン途中での中止。今年はもう帰ってこない」「一時中止で日本に引き返すかはまだわからない」と局によって、報道が多少違いますが、ともかくも日本が一時的であっても、クジラに銛を打つことはない、というニュースです。

 南氷洋における日本の「捕鯨」は、オーストラリアに住む私たち日本人、特に、オーストラリアのお家にお世話になっている留学生にとっては、極めて、居心地悪くさせるものです。

 ここ10年余、毎年、この時期に、南氷洋に南下してくる日本の捕鯨船がクジラに銛を撃つシーン、白いお腹に血を流しながら船に引き上げられるクジラの姿、真っ赤に染まった海の水などが、繰り返しテレビで報道されます。そして、捕鯨を止めない日本に対して、感情的な非難の声が向けられます。

 「捕鯨船が攻撃を受けた」として、日本でも捕鯨のことが数年前から報道されるようになりました。それ以前には、日本が南氷洋で捕鯨をしていること、そして、それに対してどれほど大きな非難の声がオーストラリアやアメリカ、ニュージーランドからあがっているかの報道は、皆無でした。

 なぜ、皆無と言えるかというと、この話題は、もちろん、毎年、留学生の間では、考えざるを得ないテーマとして浮上します。生徒たちは大きな関心を持って、研究テーマとして捕鯨のことを調べたり、該当する国や文化によって報道の仕方がどう違うかを比較したりします。また、毎年開催されるURAフォーラムという若者の集いにおいて、捕鯨がテーマになったり、また、ドラマの教科で取り上げられたりしています。 

 生徒たちの議論は、どちらが良い悪いではなく、また、好き嫌いではなく、社会現象となっている捕鯨への嫌悪、そして、日豪の外交問題となっているこの捕鯨を、客観的に、様々な観点から見ようとするものです。でも、情報収集の際に、このことに関する日本での報道や日本の見解は、国際捕鯨委員会での日本の意見しか入手できず、一般に公開されている報道は、少なくともウエッブ上には、まったく存在しないことがわかりました。

 そして、数年前から出てきたものは、日本が「攻撃されている」という立場のものに限られています。

 捕鯨のことに触れたら、何ページあっても足りなくなりますので、ここでは、「捕鯨」が、国や文化が違うとどれだけ見解が違うかということを比較したり、また、報道の仕方が人々の感情にどのように影響するか、といったことを学ぶための絶好の材料となるだということだけに留めます。

 報道の仕方の違いを学ぶことで、そこから国際ジャーナリズムを志すようになった生徒も過去に何人かいます。

 まったく違う話題に移ります。

 今年から、blogで生徒たちの様子を紹介させていただくようになったことで、全容とはいかなくても、なんとなくでも、生徒たちの毎日が、どれほど忙しいかは、十分に想像していただけるのではないかと思います。

 学校でも様々なことがあり、家に帰ればホストとの生活があり、そろそろ宿題も出始めています。そして、PCの使用には限りがあります(これは、他の実質的な活動、こちらでしかできない体験に時間を向けるために、持参しない、学校でも限られた時間と、あえて制限を設けているからです)。

 生徒たちにもいろいろな感想を書いて欲しいのですが、なかなか、そこに至りません。Mr. Kolokossianがロースター表を作成してくださり、先週から、週2本の記事が毎週出てくることになりました。早速と、2本届きましたので、ご紹介します。 

 「先週の金曜日にプロバスケットボールの試合を見に行きました。海外では、初めてプロバスケットの試合を見ました。とても興奮したうえにプレゼントタイムに、なんと TシャツをGETしました。 土曜日にはバスケットボールの試合があって、僕は大活躍しましたー!!今週の日曜日には2回目のバスケットボールの友達のパーティーがあります。たくさんの友達を作る絶好のチャンスなのでがんばりたいと思います。」by ツカサ

  「僕たちは三週間前の日曜日にいろいろな気持ちを抱えてオーストラリアに留学にきました。最初の登校日、まだ外国人の友達もほとんどいなくて不安だったけれど、できるだけ楽しめるようにがんばろうと思っていました。だから、できるだけオーストラリア人の集まっているところに行くようにしていたら、だんだんと友達もできてきました。これからも少しずつ、この‘Davidson High だけでなく、いろいろなところで友達を増やしていこうとおもいます!」 by ユウキ

(注)Assemblyの記事に写真を何枚か追加しました。

コメントをどうぞ

お名前(必須)

メールアドレス(必須)

URL

ブログトップへ戻る