2つの異なる学習方法

投稿日:2014年11月26日

日本の学習方法とオーストラリアの学習方法は、全く異なったものです。

どちらが優れているとか劣っているという議論ではなく、これだけの違いがあるということをご紹介します。

日本は、インドを始め東南アジア全体で軸となっているロート(rote) 方式の学習方法が主体です。ロート方式は、暗記して覚えた知識や体験を蓄積していきます。試験もどのくらい知識を積み入れているかを測るものが中心となります。社会全体、国全体の知的レベルを総合的に高めることができます。

オーストラリアの教育は、応用と実践です。

「Critical Thinking (因果関係を考えながら、論理を組み立て、応用に実践する)」とか、「創造性」「問題解決能力」「多角的視点」といった言葉が日常の中にポンポンと飛び出してきます。軸は、個をどのように伸ばすか、個にどのような資質を培うか、というところにあります。

これを身に付けるには、行動が要り、コミュニケーションが要り、自分の意見を表明する必要があり、他の人々の見解を知る必要があります。

日本で一斉に右に倣えの教育を受け、静かに学ぶことがいいとされてきた若者たちにとって、きみの考えは? 意見を言って! というのは、しかも、みんなの前で、それも英語で、となると 特に留学の最初の頃は、体中が凍り付くような恐怖の瞬間となります。

そんな中で、「個」の資質を伸ばすことに徐々に慣れてきた1年間。その成果が、School Reportという形で出てきます。それぞれの教科の先生たちの評価も出そろい、最後の仕上げに入っています。

School Reportの読み方をいくつか。

以上のような学習方式なので、実際のアセスメントでのできばえと姿勢が評価されます。

姿勢の中で重きが置かれるのは、

* 参加(質問に答える、ディスカッションに参加する、意見を述べるなど)する

* 集中する(課題や先生の話や指示、他の生徒たちの意見など)

* 課題の終了のクオリティ (どこまで思考の深さを注入できるか)

* わからないことを質問し、先生のヘルプを得る

以上のような姿勢は、どの教科でも最も求められているものです。その理由は、そうした姿勢や態度を持ち実践することが深い理解と大きな成果にと結びつくからです。

ちょうど、今、全員がAcademic Writingのエッセイを書き終えたところです。Academic Writingでは、ふたつの違うエッセイ様式を学習してきました。Discursive styleとArgumentative styleです。

Discursive essayは、ひとつの事柄に関して二つまたはそれ以上の対立的な見解を提示し、それぞれの見解の裏付けとなる事実やデータを入れ、事柄をよりバランスのとれた方法で深めていきます。書き手が流れに沿って結論を出す場合もあります。

Argumentative essayは、ひとつの事柄に対して読者を啓蒙し納得させる目的で自分の見解を明確に述べるものです。論調は詳細な事実やデータに基づき、より強調されたものとなります。

どちらの様式も、エッセイを書くためには、事柄となるトピックについてリサーチし、詳細な情報を得て、深く理解することから始まります。どちらのエッセイにも、トピックとしては、通常、社会で議論を呼び起こすタイプの話題が使われます。

School Reportでは簡単なコメントですが、そうしたものが書けるようになるためには、その裏に相当の苦労があり、一生懸命勉強してきたことを汲んでいただければ幸いです。

まったく異なる学習方法を16歳で体験できることは、この上なく幸運なことです。学習能力や対応能力が大きく広がり、今後に続く学習の上でも、また、生き方の上にも当然反映されるものとなりましょう。

それを個人のさらなる成長に、そして、その成長を通して社会に貢献できるよう大いに活用して欲しいですね。

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