学びの意味
投稿日:2014年12月18日
帰国前の感想のひとつをご紹介します。
「なぜ自分はこんな事をしているのだろう。これらの勉強が将来役に立つとは思えない。」日本にいる時は勉強する意味をみつけられませんでした。好きな教科は頑張ろうと思えました。なぜなら、それが将来役に立つと思えた教科だったからです。しかし今になって考えてみると、それらは全て「将来役に立つと思えた教科」ではなく、「それらの教科を学ぶ価値を見つけることができた教科」だったのだと思います。もちろん、先生も無駄な事を教えている訳ではありませんが、それらのことが生徒一人一人にとって面白い、もしくは関心の持てる物であるとは限りません。そして、関心を持てない生徒達はそれらの事をテストのために無理に吸収して、テストが終わると徐々に忘れていく、僕はそんな気がします。
僕は、オーストラリアの教育を受け、色んな人と出会い、勉強に対する価値観や取り組み方を変えることが出来たと自分で思います。僕は日本で英語の授業は特に楽しく受けることができていました。そして、英語圏のオーストラリアでの授業は僕にとって楽しいものでした。英語を身につけることは僕にとってそう簡単なことではありませんでしたし、まだまだ覚えることは沢山あります。同時に、英語を勉強するということは、苦ではありませんでした。好きなことはどんどん覚えたいと思うからです。オーストラリアに来てから約10ヶ月たった今、僕の英語力は成長を遂げました。先生達もそれを何度も生徒に言います。君たちはとても大きな成長を遂げたと。しかし同時に、まだまだ成長出来るということも言います。学ぶことは、どれだけやっても終わりは無い、またどれだけ歳を重ねても学び続けなければならないと。どれも頷けるようなアドバイスばかりでした。また、勉強に対してポジティブなイメージを持てるようになりました。何事においても、知識はあればあるほど良いものだと思います。確かに、覚える必要の無いこともあると思いますが、何事も覚えて損はしないという考えが持てるようになりました。
しかしそんな中でも、自分に対する不満は沢山ありました。なかなか英語力が伸びないと何度も思いましたし、自分には知識が全然足りないなと思ったこともあります。自分に満足がいかないというのは悪いことになり得るかもしれません。それだけ努力が足りないのかもしれません。そんな不安を一度先生に相談したことがあります。留学に来るまでは、先生に相談などした事ありませんでした。また、物事が上手くいかないのは全て本人の能力不足という考えも持っていました。なぜならそれだけの能力があれば何事にも対応でき、上手く物事を進めることができると思ったからです。そんな僕に先生は、自分が能力を持っていることを認めなければ前に進めないことを僕に話してくれました。僕の考えは、常に上には上がいる、そして上を目指すには努力がいると思っていました。しかし、常に上を目指し続けても、終わりは見えないし、疲れてしまうのです。先生は、自分を認め、少しずつでもいいから伸ばす努力を継続していけばいいとおっしゃいました。気が少しラクになりました。日本では、こんな悩みを持つことなどありませんでした。しかし、この悩みは、これからの人生に役立てていくべきものだと思いました。なぜならおそらく日本での僕は、上を目指してすらいなかったからです。留学に来て初めて得たこの悩みは、自分はまだ成長できるという自信、そして成長には努力がいるといった事を学び初めて生まれたのだと思いました。
勉強は留学の何よりの目的ですが、人脈作りも留学においてとても重要なことの一つです。ホストファミリー、友達、先生達との良い関係を築くことで、留学生活が大きく変わってきます。何より大事なのは、挨拶をするなど礼儀正しく接する事だと思います。しかし、話題性のある人間になるということも重要な事の一つだと気付きました。例えば、友達を作りたくて話そうとしても、何を話せばいいかわからない、また会話が全然続かないということがよくあります。初めて出会った人には、まず趣味やスポーツなど、何が好きなのかということを聞きます。様々な分野において知識が豊富であれば、相手の好きなことから会話を広げることができると思います。しかし、無知であると話題が無く、何も話すことがなくなってしまうのではないかと思います。初めて出会った人と話すのは日本語ですら簡単なことでは無いと思います。そして英語では余計難しく感じます。また、留学では日本で生活するより何倍も多くの新しい人に出会います。考えてみると、僕はこんなに難しい事をしていたのかと思いました。僕は音楽が大好きで、様々なジャンルの音楽を聴いてきました。初めて会った人と話すときはいつも音楽の知識を武器に、たくさん会話をする事が出来たと思います。色んな音楽を聴いていて良かったと何度も思いました。オーストラリア人は、スポーツ好きな人が多いのですが、もし僕が幅広くスポーツに詳しければもっと会話を弾ませることが出来たと思います。つまり、何事も覚えて損はしないというのは、人脈作りにおいても同じことだったと分かったのです。おそらく人脈作りに限らず、何事においても知識は強力な武器になるのだと思いました。
留学で学んだことは書ききれない程あります。しかし、何より僕の人生を支えてくれるであろう事は、学ぶという本当の意味を知ることができた事だと思います。また、学ぶことができたのは周りの人々のおかげだという感謝の気持ちを忘れず、これからも様々な事を学び続けていきたいと思います。 by K.Y.
学ぶことに意味を見いだし、楽しさを覚えるようになるということは、言い換えれば、自分を活かす方法を見つけ、自分の未来を自分の手に引き寄せるようになったということです。
結果はもちろん大事です。でも、もっと大事なのは、物事に向かう姿勢であり、その過程における「自分」の本気さです。目的があり、本気にそれに取り組む姿勢は、必ず実りをもたらします。だから、楽しいのです。
これからも学ぶことの楽しさを味わい続けてください。