ESL-English as a Second Language

投稿日:2015年2月5日

英語の授業が本格的に始まって、先生たちも、生徒たちも張り切っています。

DHSの選択授業は、週の半分、あとの半分は、英語の授業です。

ICETの教育には、いくつかの軸があります。

  •  異文化交流の実体験
  • 言語力の習得とコミュニケーション力の強化
  • 人間的な成長

 文化の違いは、国や民族が違うからではなく、日本においても家庭が違えば、文化は大きく違います。社会の中でしていることが比較的統一されているので、似たこともたくさんあるのですが、人は、同じ国の人間であっても、みな、一人一人、性格の違いとはまた違う「育ち」という文化を持っています。

同じ日本の中でも、地方、地方によって、全体として作り上げている文化は、やはり、大きく違います。

オーストラリアに来れば、それぞれの学校の文化があり、そして、ホストファミリーに入れば、それぞれの生活がみな違います。

そうした、様々な「文化」に毎日の生活や行事や授業の中で触れることにより、価値観、考え方、やり方、歴史的背景、社会的風潮、時代の流行など、いろいろなことを学び、それに伴うさまざまな感情を味わい、比較し、理解し、言語化し、積み上げることで自分に付加価値を付け、成長していきます。

それが、人間的な成長とも結びついていきます。

 言語力の強化に関しては、2つあります。英語と母語の日本語です。

母語の日本語は、高校生というまだ、自分の言語を発達させつつ年齢にあります。その年齢で1年間母語で論理的に考えることをしなければ、言語能力は大きく落ちます。そして、母語の能力は、英語の習得にも大きく関係します。

この件にかんしては、また、別途お話する機会もありましょう。

今日は、英語の授業についてです。

生徒たちがどんな授業を受けているのか、徐々にご紹介していきます。

ESL – English as a Second Languageすでに英語以外の言語を母国語として持っている人々が、英語圏で生活し、学習し、仕事をするために、英語を2番目の言語として習得することを目的とした授業です。

読む、聞く、話す、書くの4つの分野で、言語が十分に使えるようにするために考案された学習方法です。オーストラリアは、2010年のOECDの数字によると人口の25%が外国生まれです。(因みに日本は、外国人(生まれとは限らない)の数が人口の1.7%。)それ故に、国民の英語の習得がそのまま国の人的資源になりますので、ESLの教材、教師の開発には、政府の力が入っています。

ICETの英語教育も当然その恩恵を受けています。教材は良いものがたくさんあり、そして、ICETで教えてくださるESLの先生たちは、大学及び大学院でESLの教授法や教育学を学び、その上で、日本・韓国・英国・インドネシアなど外国に住み、英語を教えながら、その国の言葉の習得に努め、異文化で暮らすこと、外国語を学習することを自ら体験している人々です。

ということは、外国語を習得することの難しさ、異文化の中での生活の大変さを身を持って体験しているので、ICETに留学してくる生徒たちの事情をよく理解することができ、そのために、より温かな、そして、痒いところに手が届くケアと教授法を提供することができる先生たちである、ということが言えます。

さらに、日本人が「英語」という言語を学習する過程の特徴をしっかりと把握し、できるだけの効果が出るようにカリキュラムを仕立てています。

どんな言語も、読む、聞く、話す、書くの4分野が揃わないと、言語として機能しませんので、週4時間のESLでは、この4分野を鍛えます。高校生ですので、母国語である日本語では、語彙をたくさん有し、概念的な思考や論理的な思考ができるようになっています。従って、最初は、辞書を使いながら、日本語とEnglishの間を行ったり来たりします。つまり、英語を日本語のフィルターを通して理解していきます。

先生たちは、最初からできるだけEnglishはEnglishで覚えることをプッシュします。そのことをできるだけ早い時期から意識的にしている生徒たちは、最初はとても苦労そうですが、途中から、すごい勢いで、Englishを理解し、Englishを使いこなすことができるようになっていきます。日本語とEnglishがそれぞれ別個の言語として独立して発達していきます。余談ですが、幼稚園またはそれ以下の年齢で英語習得をする際には、EnglishはEnglishで、に徹することが早道であり、英語を自然に身に付けるコツとなりましょう。

日本語に頼っている場合には、最初は、すごい勢いで単語を覚えていきます。でも、Englishを日本語のフィルターを通す依存がパターンとしてできあがってしまい、そこから抜け出すことがとても難しくなります。常に、Englishと日本語が入り混じった状態になります。そうなると、Englishの発達は、途中から遅々としたものとなっていきます。

母国語のことを通常L1と呼びます。Lはlanguageの略です。ICETの生徒たちの場合には、英語は、L2です。L2をL1のフィルターを通して学んでいる場合には、当然のことながら、L1のレベルに支配されます。日本語で読書をたくさんしている生徒は、英語になっても、読書そのものを嫌がりません。日本語でも読書をあまりしたことの無い生徒は、英語となればなおさらのこと、活字を追うことが億劫になります。日本語の語彙が豊富であればあるほど、英語の語彙の把握も理解も広がります。

読書、読解力は、すべての学習の基礎となります。従って、ここで物を言うのは、L1、つまり日本語における読解力です。英語に上手になるかならないかは、こんなところにも隠れた要因があるのですね。

ここで述べていることは、あくまでも、日本語を母国語として、日本語環境で育ち、日本語で論理的な思考ができる年齢になっている生徒の英語学習に関してのことです。

今日は、ここまでにします。

 

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