アトミック・サムライ

投稿日:2011年4月7日

 4月の休暇までにあと2日。

 先生たちからの報告によると、みんなの気持ちが、そわそわとしてきているようです。

 スワンヒルに滞在中のMr. Manningからは、みんなが元気でいること、集中講義でESLの授業内容をカバーしていること、休暇中の計画などについての報告が届いています。

 「スワンヒルでは、2週間前に姉妹都市の山形市にどういう応援ができるかという会議が開かれ、そこには、以前、スワンヒルに住んでいらしたヨシコさんという方がメルボルンから出席され、支援案が話し合われた。近隣の小学校に行って折り紙をし、そこで募金活動をすることになった。ついては、その実現にICETの生徒の協力がいるのだが、いいだろうか」という連絡が、委員の一人であるAnne Seamons(アン・シーモンズ)さんからありました。

 アンさんは、ICETのプログラムが1998年に始まった時からのプログラムの応援者の一人です。

 ICETのプログラムが設置されている時には、近隣の小学校に日本文化の紹介でよくでかけたものでした。今年は、ICETの授業が別に設置されているわけではなく、全面的にマキロップの生徒として通学していますから、私の一存で授業を何度も休むという許可は出せません。しかしながら、生徒たちは、そうした活動に参加することを望んでいますし、地域の人々と触れ合うことは、とても大事なことですので、校長先生は快く承諾してくださることでしょう。

 活動そのものは、2学期に実施されます。

 デイビッドソンでは、現地の7年生からの提唱で、ICETの生徒との千羽鶴作りが進んでいます。昼休みに一生懸命折っているということです。水曜日の時点で、600を超えました。休暇に入る前に折るといいですね。

  シューヘイ君から、記事が届きました。

 「ぼくはホストファミリーとの生活について書こうと思います。ぼくのホストファミリーは5人家族でいつも本当に優しく接してくれます。そしてぼくはいつもホストブラザーとテレビゲームなどをして遊んでいます。そうして遊んでいると、ホストブラザーが英語で喋って来てくれるので英語の練習にもなります。つい最近アースアワーと言う地球温暖化を食い止めようと1時間だけ家の電気を消すと言う試みがあり、それに僕の家も参加しました。そこでは地球温暖化の事について家族と話す機会にもなり本当に良かったです。これからも頑張って英語を上手く喋れるように頑張ります。」

 このEarth Hourは、3月26日の夜8時に実施されました。シドニーが地球上最初の場所であり、次々と地球の西にと引き継がれていきます。日本でもきっと行われたのかもしれませんが、今年は、震災でそこに注意が向くような状態ではなかったのではないかと想像します。

 NASAの宇宙衛星が撮ったある写真があります。夜の地球を映したものです。ところどころにチラホラと光る場所が見えますが、ひときわ浮き上がっているのが、日本とアメリカのニューヨーク近辺の東海岸です。日本は、列島の形がわかるほどに明るい光を放っています。ヨーロッパですらも、光はあまり見えません。

 それほどに、日本は、電力を欲しいがまま使っていた国でした。宇宙衛星が映す今の日本の夜の映像は、きっと大きく違うものになっていることでしょう。

 原子力発電所の中で命がけで戦っている人々、そして、災害の中で静かに再興のためにたたかっている人々を称えるメールが届きました。

 「今、西欧の社会は、「自分」「私」を軸にまわっている。その中で、自分の命を「みんな」の安全のために捧げ、日々死を覚悟して原子力発電所の中や周辺でたたかっている消防隊員、警察官、東電の現場職員の人々-アトミック・サムライーの勇気と強靭なバネに敬礼を表せずにはいられない。これでもか、これでもかと次々に襲ってくる悲劇の中で、ここまでストイックにふるまえる日本人の気高さを世界が学ぶときである。そんな日本人に敬意を表しひたすら祈りを捧げている」という主旨のものです。

 ICETの卒業生の中にも、震災によって、将来に向けて、夢にも思っていなかった苦渋の選択を迫られている人達がいます。

 そんな日本人の一人一人の真摯な姿勢が世界の人々の魂を揺さぶっています。

 物の豊かさにしか価値を置いてこなかった世界が、今、人類にはもっと大切なものがあることに気が付いてきているのではないでしょうか。

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