Cowra 2
投稿日:2011年5月2日
カウラから30kmほど離れたところに天文台があります。
この天文台は、ハワイにある天文台と並んで、世界でもっとも星がきれいに見えるところのひとつと言われています。カウラでの滞在は2日間ですので、どちらか1夜だけでも、空に雲がないことを祈るのみです。こればかりは、まさに天に運を任せるしかありません。
1日目は、ずっと曇っていました。大きな雲が空全体に広がり、合間合間に、見える青空は、すばらしくきれいなのに・・・ 夕方の段階では、「今日はムリだね。」と天文台の方。半分がっかりしながら、でも、まあ、望みを残して、夕食の準備です。
キャラバンパークは、オーストラリアの至るところにあります。町という町に必ず1つはあります。クオリティは、マチマチです。デジタルのテレビがあり、キッチンの設備が備えられていて食器も新しいものを置いているところもあれば、古い形式のもので、シャワーに入れば、床が傾いているようなところもあります。私は、生徒たちと旅行をするようになってから、キャラバンパークの存在を知ったのですが、今は、オーストラリア内の旅行であれば、そして、車で移動している時は、ホテルがある大都市でもキャラバンパークを使います。なんといっても便利で、人数がいれば安上がりで、一番の魅力はキッチンがあることです。
この旅においては、宿舎にキッチンがあることが大事な要素となっています。キャラバンの中には、それぞれのキャビンのほかに、共同のキッチンがあります。カウラの場合には、豚や羊などの丸焼きができる囲炉裏と、BBQができる小さな鉄板が2つあり、5mくらいの長さの木のテーブルが3台並んでいます。
私にとっては、ここで一緒に食事をした過去の生徒たちのたくさんの顔が刻まれているテーブルです。
今回の旅の目的のひとつには、チームの1員として上手にチームに貢献すること、そして、リーダーシップを執る練習をする場をできるだけたくさん踏むことです。チームワークを構築することは、違う考え、違う物事のやり方、違う交流の仕方を持つ人たちが集まる際に、全体として大きな効果をあげるために欠く事ができません。チームの一員として、また、リーダーとしてチームを上手に機能させる技、技術、才能を持っているといないでは、これからの学習にも、また、自分のキャリアにも大きく影響してきます。
その最も効果的な練習の場のひとつは、食事の準備です。
ひとつのグループが全体の食事を作ることは簡単ではありません。それを約1週間続けるのですから、いろいろな工夫が必要です。量も、料理の仕方も、手順も、誰が何を担当するか、一人ひとりがどう動くか、協力して考えなければなりません。何よりも、互いの意思疎通を行わなければなりません。臨機応変に対応しなければならないことも多々起ります。イライラすることも、ぶつかることもありましょう。時間が1時間半でも足りなくて、大幅に出発の時間が遅れた朝もありました(時間に余裕があったことが幸いではあったのですが)。
なんといっても最大の楽しみは、みんなでワイワイ、自分たちの好きなものを料理できることです。
カウラでの最初の夜は、施設を利用してのBBQでした。その準備が始まった頃に、天文台から電話がありました。「空が晴れてきている。大丈夫そうだ。」というものでした。
カウラの空は、星が、地平線上に見えます。とても、低い位置に星が見え、それが、反対側の地平線上まで、天空じゅうに広がっているのです。晴れてきた空には、周りの闇が濃くなるにつれ、たくさんの星が見え始めました。食事が終わった頃には、空の星が明るく輝いてきていました。
バスで移動した天文台の回りは、まったく電気がないので、道があることを示す足元の小さなライト以外は真っ暗です。ライトがあっても足元は見えないほどの暗さです。その分だけ、空の星がひかります。もう、みんな大喜び。
「きれええええ!」「すっげえ!」「感動!」「信じられな~い!」が一体どれほど連発されたか。あまりの凄さに感動の涙を流した生徒も。悔しいこと、哀しいこと、嬉しいこと、困ったこと、怒っていること、どんな場合にも素直に気持ちを表現するこの若者たちは、とても爽やかです。
流れ星が見えると、また、おおはしゃぎ。南十字星もくっきりとすぐ頭上に見えました。どの星も手が届くほどに近くに見えます。望遠鏡で見た土星はまさにポスターで観るような形。何百万個の星がかたまって存在する「宝石箱」。
4つ見たという生徒もいました。「ひとつも見なかった」とがっかりしていた生徒もいました。
流れ星にどんな願い事をしたのでしょう。叶うといいですね。
以前スワンヒルから来た生徒が、「スワンヒルのほうが星が良く見える」と言っていたことがあります。スワンヒルにいる生徒たちは、こんなきれいな夜空を頻繁に眺め、いろいろな想いを馳せているかもしれないですね。
シドニーやゴールコーストは環境が明るすぎて、とてもこんな具合にはいきません。今年のカウラの星は、月明かりもなく、一際きれいでした。
そして、空気も澄んでいるだけに、夜中は、かなり冷え込んだのです。