懐かしい出会い
投稿日:2010年9月13日
8月28日に時間がさかのぼります。
いつもは予定でびっしり詰まる毎日の中で、すっぽりと空いた時間ができました。以前、飛行機の出発が丸1日遅れてとても困ったことになったので、それ以後は、日本を訪れる際には、1日の余裕を持たせることにしました。その空間にいくつかのすてきな出会いがありました。
第一期生の真紀さんと二人のお子さんたちとの時間。9歳のお嬢さんは、なんてお行儀がいいのだろうと何度も感心するほどに、いろいろな場面でのあいさつが上手にでき、礼儀作法をわきまえていました。お母さんが話をしている際には、しっかりとお母さんの目を見ています。いったい、どんなふうにしたら、こんな上手な子育てとしつけができるのだろうと思っていたら、それを垣間見る場面がありました。
下の6歳の坊やは、元気盛りです。その坊やに何か伝えたいことがあったようです。坊やの手を握り、同じ目線に腰を下げ、「これは、社会のルールで、あなたのしたことは間違っているの。こうすることが正しいの。」と諭しているのが聞こえました。「わかった?」というお母さんの問いかけに、坊やは、「わかった。ルールだってわかったから、もうしないよ」と素直そのものです。「ダメ、そんなことしちゃ!」という上から押さえるものではなく、なぜしてはいけないかの理由を明確に伝えているのですね。
なるほど、生活する上での社会的、まわりの人々との間のルールをこうして教えていくのだ、と爽やかな感動を覚えました。
20年前からこの留学プログラムを一緒に築いてきた康子先生のご案内で岡山市内にいる卒業生の数名を訪問することになりました。7年前にマキロップを卒業した亜莉さんは、塾の副室長をしながら、子どもたちに英語を教えています。Kids Englishというプログラムも持ち、ピンクの椅子と家具をあつらえたとてもかわいい教室を見せてもらいました。たまたま、弟さんが急死してしまった同級生の気持ちを思い、悲しみに包まれていたところでした。でも、話が留学中のことになり、その後のみんなの消息や現在の自分の仕事のことを語る亜莉さんは、爽やかなエネルギーに満ち溢れていました。お世話になったホストファミリーともずっと連絡を取り合っているとのこと。私にとっては、最高にうれしいことのひとつです。
生徒や他の講師の先生がたが到着し始めたので失礼することにしたのですが、玄関での中学生とのやりとりからは、慕われ尊敬されている様子がよく伝わってきました。
倫子さんがお勤めされているケーキのお店にお邪魔しました。たまたま、倫子さんは、その日はお休み。そこに、信吾君と奨子さんのお母さん、そして、浩典君のお母さんが、駆けつけてきてくださいました。懐かしい思い出がたくさん!! 何年間ものさまざまな思い出が、凝縮された1時間になりました。奨子さんは建築家として、信吾君は商社のお仕事にそれぞれ励んでいることを語ってくださいました。また、浩典君はカナダへの留学から戻り、今週にも就職が内定しそうだということ。留学の時代のことが今に至るまで、生活や心の中に綿々と生きていることを感じさせていただいた時間でした。
8月には生徒たちの同窓会があったのですが、今度は、保護者の同窓会を開きましょう、ということになりました。「声掛けしたら、みんなすぐに集まるわよ。日にちを決めればいいだけ。」という強力な言葉に、私の心はすでにその会に飛び、今から楽しみです。
最後の訪問は、Mrs. Bloomという夕騎君のお店。デイビッドソン・ハイで3年間勉強した後、ヘアードレッサーの道を歩むことにしてゴールド・コーストのTAFEに進学しました。卒業後、去年から岡山で腕を振るっています。プロになったら髪を切ってもらうという約束があったので、喜び勇んで行ったものの、予約でいっぱいで、願いは残念ながら叶いませんでした。びっくりさせることばかり考えていたので、あえて予約を入れなかったことが失敗でした。でも、それだけ繁盛していることがとてもうれしく、「したいことがたくさんある」と言う、彼の希望に満ちた笑顔に会えたことで大満足でした。
康子先生に、「こんな時間って20年で初めてでしょう。これからもっとこういう時間を作りましょう。」と言われ、まさにその通りだと思いました。卒業生の普段の「顔」を見せてもらい、その後に生きる留学の成果を聞かせてもらうことで、自分が新鮮なエネルギーで満たされていくことを感じました。それは、とりもなおさず、今留学中の生徒たちへの先輩たちからの激励の言葉になるものだからです。