Respect

投稿日:2012年1月14日

 Respect という言葉があります。

 オーストラリアに来ると、その日から耳にする言葉です。 

 先日は、姿勢ということについてお話しました。こちらでは、attitude という言葉が使われます。先生たちが、生徒たちに求めるのは、このattitudeです。いろいろな方面でa good attitude をもっていたら、みんなが気持ちがいいし、成果もあがるからです。

 学校の勉強では、点数を取ることよりもむしろ良い attitude を持つことのほうが重要視されます。それは、基本的に人間性に根ざすものだからでしょう。

 Attitude と、これからお話する respect という観念とは重なるところがたくさんあります。

 共通するのは、両方とも、形、表に出るもので評価され、attitude と respect は、手をつないで一緒に歩きます。

 Respect は、attitude の根本にあるものです。

 そんなことを求められなくても自然にできる人たちもいれば、先生たちから respect  を示すように盛んに求められるのですが、これがなかなか上手く行かない場合があるのです。しかも、それが、稀ではないのです。

 どうしてなのか、いろいろ考えているうちに、ハタと思いついたことがありました。

 これを日本語に直してしまうから、オーストラリアの先生方が期待するものと、生徒が理解して示すものに差が出るのではないか、ということです。

 辞書には、respect は、「尊敬する」「尊ぶ」「敬う」「重んじる」といった言葉が出てきます。尊敬するという言葉には、相手の人柄や業績を見て、それに対して敬意を表する気持ちが含まれます。単純に言ってみれば、すごいと感動する気持ちが自分の中に必要となってきます。

 一方、respect という観念は、相手によってということもなければ、自分がどう感じるかということもありません。単純に、「大事にする」ということだけです。

 自分を大事にする、周りにいる人々を大事にする、学習を大事にする、環境を大事にする、というのがrespectです。

 出会っても笑顔もなければ “hello”  という言葉もない。授業に必要なものを持ってこない。質問されても黙っている。昨日渡されたプリントがクシャクシャになっている。先生が話している時に目を見ていない。授業中に隣とおしゃべりしている。先生の指示にすぐに従わない。オーストラリアの人々の前で友だちどうしで日本語を使う。友達の悪口を言う。困っている人を助けない。人の行動を笑う。授業に遅れる。宿題をしてこない、etc.

 といったようなことは、みな、respect の欠如と見なされます。一生懸命する姿勢がない、自分を向上させる姿勢がない、とも見なされます。自分も人も大事にしていない、ということです。

 さて、こういう姿勢や考え方は、留学したからできる、するというものではなく、留学前に自然に身についているべきものです。姿勢があれば、自然に自分を、そして、周りの人々や物を respectからだということになります。

 学校では、きちんと挨拶をしていると思います。同じように気持ちのいい挨拶が、家の中でも、ご近所の人たちにも、親戚の人たちにもできていますか? できていれば、それは、あなたが身に付けているものです。

 逆に、家では、お父さん、お母さんから話しかけられても、ろくな返事もしない、お母さんに何かをしてもらっても、「ありがとう」も言わない。朝起きて、「おはようございます」が笑顔できちんと言えない、というような状況であれば、あなたには、自分に対する respect も、ご両親に対する resepct も育っていない、ということになります。

 それは、とりもなおさず、自分を respect としていない、自分に誇りを持っていない、ということになります。

 Respectは、まず、自分の中から始まり、自分に対して始めるものです。自分自身となあなあの関係であれば、人との関係もなあなあなものとなってしまうでしょう。

 Respect yourself.

 自分を respect できれば、人も自然に respect することとなるでしょう。

 留学だからではなく、人生を通して生涯大事なことです。

コメントをどうぞ

お名前(必須)

メールアドレス(必須)

URL

ブログトップへ戻る