獅子座の満月

投稿日:2012年2月9日

 人間は、天空の動きと共に生きている、いや、生かされています。

 日常の喧騒と煩悩の中に頭も心も突っ込んだままで暮らしていると、そのことを忘れてしまいがちです。 

 シドニーでは、8日の暁に、満月になりました。前夜、夜中近くに見る月は、雲に隠れている時間が多かったのですが、時々雲間に見せる光は、まさに煌煌と言う言葉がふさわしいものでした。

 この満月は、獅子座の満月。そして、要素は「火」。獅子座は、光をあてて!見て、見て! 僕は、私は、こんなにすごいんだよ、と思う存分、自分を誇示するもの。

 関係する言葉は、「自己表現」「リーダーシップ]「創造性」そして、Teenager.  

 その影となる部分は、「自己中心のわがまま」「尊大」「支配」そして、「虚栄」。

 まさに、ここ数日に起っていることを象徴しているような言葉が並びます。

 今日は、SRCという学校のリーダーチームの選挙。そして、午後には、ダンス・アンサンブルのオーディション。どちらも、創造的なアイディアを言葉や体で表現し、自分の技能や才能を競い、リーダーシップを得ようとするものです。明日は、コーラスのオーディションがあります。

 ユリナさんは、3時限目に、DHSの11年生全員の前で。そして、ユリエさんとセイヤ君は、10年生全員の前で。英語を母国語とする人々の前で、外国語である英語でスピーチするということは、なんと勇気を要することか。Nativeの生徒たちにすぐるとも劣らないスピーチに、たくさんの拍手が起こりました。

 カズコさんは、SRCのメンバーになることは惜しくも逃しましたが、心意気とガッツを称えられ特別賞を受賞しました。

 留学してきて、日本でもっていた自由を心身ともに一旦失った若者たちは、自分の地盤、自分がコントロールできるもの、自分が調整できること、自分がつながりを感じられる人間関係を作ることに懸命です。

 自己表現が求められ、自分自身のリーダーになって自分自身を上手に導かなければならず、そして、今までとは違う新しく創造した方法で物事を試すことを自然に強いられます。今までしていたことでは通用しないことがたくさんあるからです。工夫が必要なのです。新しい方法を考え出すことが要ります。

 その過程においては、欲求不満から、あるいは、恐怖心や不安から、感情を爆発させたり、自分のせいじゃない、環境が自分に合わないからだと尊大になってみたり、無理やりにでも自分の支配を取り戻そうと虚栄を張ってみたりします。

 幼児に戻ったかのようにままならぬ状態にあれば、エゴは、当然、深く傷つきます。でも、じきに、再び、自分の本来の力を取り戻すことでしょう。 

 南半球は、これから秋、そして、冬になっていきます。

 秋は収穫の時期です。英語を、国際的な感覚と視野を、ありとあらゆる機会をとらえて、自分の中に取り入れるときです。冬にかけては、自分の中に取り入れたものを十分に消化し、理解を深め、そして、しっかりと自分の実として、栄養として蓄える時です。

 それが、春には、大きな花となって咲きます。そして、再び夏が巡ってきたら、たくさんの付加価値を加えて、大きな達成感と充実感で満たされて日本に戻ることになります。夏の太陽のように光り輝いて。

 留学が始まったばかりの今の毎日の生活の中には、思うようにならなこともあるでしょう。でも、そんなふうに、太陽や月に見守られながら、今、この瞬間の時間を大事に過ごしていって欲しいですね。

 

 

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