Synchronicity

投稿日:2012年2月11日

シンクロという言葉は、オリンピックのあの華麗な水中の演技で知られています。

合成語であるシンクロニシティという言葉は、あたかも偶然かのように、ふたつあるいはもっとたくさんのことが組み合わさるかのように起こることをさします。先日の、獅子座の満月と、生徒たちの活動の中に、自己表現やリーダーシップなどの活動が起こっていたのは、天空の動きと地上における人間の動きが、シンクロニシティの中にあったということになります。

この言葉は、古代ギリシャの時代からの永遠のテーマである「時間の観念」、そして、その観念に支配される人間の意識や営みに関して、スイスの心理学者カール・ユングが説明するために使った言葉です。

皆さんにも、そうした偶然的な巡りが訪れることがないですか?

そうした偶然のように見える巡りを、私たちは幸運と呼んだり、神の助けと思ったり、仏様の慈悲と感じて感謝します。

そんな時、たぶん、私たちは、あまり無理をしていないのではないかと思います。目には見えない何かの流れに乗って運命を委ねたり、流れるままに波に身を漂わせたり、自然の成り行きに任せてみたり、抵抗しないことでむしろ上手に乗り越えていくことができることがあります。

時間や物事の巡りが上手にまわっている際には、人生は、比較的順調に進みます。しかしながら、巡りに抵抗すればするほど、逆流を泳ぐ困難さを感じることになります。

1年組の個人面談を終わって、感じたことがこれでした。

日本を発ってわずか3週間も経っていないのに、結果は、ふたつに分かれています。毎日が楽しいという生徒。ほとんどがそのように感じていることは安堵です。

まあ、なんとかなっているかなと感じているのは数人。ほんの少し工夫をしたら、きっともっと気軽に新しい生活を楽しむことができるようになるでしょう。

そして、もうひとつの極にあるのが、ここでの生活はストレスだらけ。楽しくない。数人ではあっても、ここでの生活が苦痛に満ちたものであると感じている生徒がいることは、辛いことです。こう感じる生徒の話を聞いていると、こちらの生活に全面的に飛び込めていないのです。何か自分を束縛するもの(知らないことに対する恐怖であったり、日本での生活との違いの大きさに対する衝撃であったり、失敗を恐れる気持ちであったり、自分がバカに見えるのではないかというエゴであったり)があるのでしょう。

それだけではなく、なんとかしなければならないという義務感や焦り、でも、できないという罪悪感や劣等感、上手にやっている人たちを羨ましいと思うやきもちや嫉妬、そうしたものに圧迫され、ますます身動きができなくなります。

そして、一番簡単に陥るところは、自分ではなく、人を非難する罠です。

環境のせい、ホストが悪い、学校が悪い、友だちが勝手、先生の言い方が悪い、オーストラリアの生徒が良くない、日本人が多いから、といろいろな理由付けをします。それが一番らくなことだからです。

子供だけではなく、これは大人も始終することです。自分が責任を取れば、今以上の努力をしなければなりません。新しい工夫が要ります。創造性を強いられます。

人のせいにすれば、努力は自分に強いないで済みます。恐らく、今まで、ずっと人のせいにするという方法で通してきたのでしょう。

人のせいだと、人を指す動作をしてみてください。手を開いて人を指すことはありません。大抵は、人差し指(だからそう呼ばれる指なのかもしれませんが)を人に向け、親指は、どこか別の方向を向いています。でも、中指、薬指、小指は、どちらを向いていますか?

自分です。

人間は、たぶん、わかっているのです。最終的な責任は、自分の選択にある、と。心の中では・・・ でも、難しいのですね、自分に責任を負うことは。人を、環境を非難し、自分の責任を回避した時には、物事の巡りのシンクロニシティは、自分をさらに逆境に陥れる方向で回り始めます。

その流れを作ってはならないのです。

それには、抵抗を捨て、飛び込むことです。もちろん、相手に協力を求めることも必要です。それは、negotiate、交渉すればいいのです。でも、根本的に変化を起こす要因はただ一つ。飛び込み、そこでの流れに任せることなのです。

怖くて当然です。川の水の流れに飛び込むことは、簡単ではありません。溺れるかもしれないという恐怖があるからです。でも、川の流れは、オーストラリアの学校生活であり、ホストとの生活であり、他のみんなが泳いでいる川なのです。溺れそうになれば、必ず助けがあります。でも、思い切って飛び込まないことには、その流れに乗ることはできないのです。

楽しく泳いでいる人たちを川辺で指をくわえて見ているだけとなるのです。今です、飛び込むのは。

今、その勇気を持たないと、半年経っても、同じ岸で羨望と劣等感に打ちのめされた自分を見出すことになります。勇気を奮って、飛び込みましょう。

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ICETのホームページが化粧直しをしました。キャッチフレーズも新しくなりました。卒業生の新沼孝徳さんの手によるものです。

孝徳さん、ありがとうございました。

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