Presentation Night
投稿日:2010年12月12日
褒め方は、日本とオーストラリアの教育の中で大きく異なるもののひとつです。
日本は、「公平」「平等」に重きを置くせいか、生徒がなした善行に対して、あまり褒めることをしません。むしろ、もっとできるよう、もっとよくなるよう、叱咤激励する方法が一般的です。
これに対して、オーストラリアでは、小さなことでも、生徒がしたことを褒めます。今までできなかったことができれば褒められ、率先したことを褒められ、行動に出し積み上げることに重きが置かれています。
日本から留学してきた生徒の反応はまちまちです。褒められることに大きな喜びを見出し、「やる気になる」という生徒。「ちょっと恥ずかしいけれど嬉しい」という生徒。「自分はそんなに褒めてもらうのにあたいしない」という生徒。「そんな小さなことでいちいち褒められたら、褒められる意味がない」と逆に憤慨する生徒。「褒めるのではなく、足りないところを指摘されたほうが学べる」という生徒。
個々のPersonality type による違いが明確に出ているようにも思えますが、遠慮したり、「そんなことありません」と賞賛を率直に喜べない生徒が多いのは、文化の影響が大いにありそうです。実に、興味深い反応の仕方です。段々と、”Thank you” と素直に笑顔を見せるようになっていきます。
オーストラリアの学校には、Presentation NightとかAward Nightと呼ばれる行事があります。人々の前で、「褒める」「褒められる」ということを具現化した場です。Nightとつくのは、両親の参加を可能とするために、通常夕方から夜にかけて行われるからです。
ここで、その年度において、一生懸命学習し成果を目に見える形で出した生徒、スポーツなどで活躍した生徒などが表彰されます。各教科での優秀な成績、学校や社会への貢献、デイビッドソン校の場合には、ブルースポイントといって年間の善行の積み重ねも表彰の対象となります。
来賓には、この地方代表の国会議員を始め、地域の重要な組織のヘッドが招かれ、学校にとっては、生徒がいかに活躍し、優秀な足跡を残しているかを地域に知らせる絶好のチャンスです。そして、生徒の存在や活躍も地域で知られるようになります。
さて、今年もまた、ICETの生徒たちが次のような賞をいただきました。
Riho Mさん:ESLにおける最優秀賞 (2010年12月卒業)
Yuki さん:DHSのPerforming Artsへの貢献 (2010年12月卒業)
以下、2010年度11年生
Sakiさん:ESLにおける最優秀の成績(女子の部)
JBS における勤勉な学習ぶり
Hikaru君:ESLにおける勤勉な学習ぶり
Taiki君:クロス・カントリー、シドニー北区学校代表
クロス・カントリー チャンピオン (15歳の部)
Makoさん:バスケットボールチームへの貢献
Komei君:ESLにおける最優秀の成績(男子の部)
JBSにおける最優秀の成績(男子の部)
「社会と文化」における勤勉な学習ぶり
Global Citizenship Award:国際市民賞
最後のGlobal Citizenship Awardというのは、今年新設されたものです。
デイビッドソンの生徒にランチタイムに日本語を教えるという試みは、以前にもありました。日本人留学生と現地の生徒との交流を深めることが目的だったので、たいていは、ある程度仲良しになったところで、ランチタイムの活動は自然消滅していたように思います。教えるということを継続することは、教える側も学習する側も、双方からの熱意と相当の努力が必要とされます。
Komei君は、発案者として数人の仲間と立ち上げ、資料を用意し、参加者の人数にかかわらず、1学期間以上にわたって、根気よく日本語のレッスンを続けました。そのボランティアの精神と、個々の授業に投入したアイディアと準備の時間と、そして、継続させた努力は、大いに称えられるべきです。受講したデイビッドソンの生徒には、大きなメリットがあったことでしょう。
該当するカテゴリーの賞が存在しないために、DHSが今回、GCAを新しい賞として取り入れられたものです。
この日本語教室には、受賞はないものの、Annaさんの大きな貢献があったことは特記すべきことと思います。ランチタイムがバンドの練習に使われることが多く、常時関わることができなかったのですが、Annaさんは、将来外国で日本語を教えることが夢のひとつになったというほどに、楽しんだということです。
それぞれの賞を手に入れたみなさん、おめでとう!!
1年間の絶え間ない努力が称えられることは、嬉しいことですね。
もうひとつ、おめでたいことがありました。
既に関西学院大学に合格を決めているAsanaさんに、また嬉しいニュースが加わりました。大阪府立大学人間社会学部に合格。
第一志望の関西学院で勉学を続けるということです。おめでとう!