首相争い
投稿日:2012年2月27日
トップ争いは熾烈でした。
現在のオーストラリアの首相は、ジュリア・ギラードという女性です。普段から非常に明快で論理的な話し方をします。発音も明瞭で、わかりやすい説明の仕方をします。これということは、自説も政策も妥協することなく、ものすごい力で押していきます。
ギラード女史は、2010年の7月頃までは、副首相でした。その時の首相が、ケビン・ラッドという人です。
日本の民主党が選挙に勝ったように、ラッド氏は、自分が率いる労働党に2008年、歴史に残る大勝をもたらしました。それにも関わらず、人気にちょっとかげりが出たからと、副首相だったギラード氏に首相の座を乗っ取られたのです。大変な騒ぎの事件でした。
いつかトップを再び狙うという噂が絶えなかったものの、中国語が流暢なラッド氏は外務大臣として、世界を飛び回っていました。それが、先週突然に、ニューヨークで外務大臣を辞めると宣言し、首相の座に返り咲くためにギラード氏に挑戦すると言い出したのです。
すべてのことがストップしてしまったかのような、この数日でした。ニュースは、そのことのみ。
生徒たちも、ホストのお家でニュースをよく見ているのでしょう、この二人の名前が馴染みになってきているようです。
国民には、圧倒的にラッド氏の人気が高いのですが、労働党の議員たちには、さっぱりです。非常に仕事がやりにくい首相だということで。
結局、議員会は、ギラード氏に軍配をあげました。
民主主義というのものは、おもしろいものです。民意とはいえ、制度は、確実に議員たちの立場を優先する仕組みになっています。国民に選出されたラッド氏、そして、今も人気のあるラッド氏が首相にはなれない、というなにか不思議なシステムです。
でも、決着がついたことで、この一連の騒ぎも終わるのでしょうか・・・ 政治は、さっぱりわかりません。